*モナミ* SMAP・映画・本
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『カンダハール』 アフガニスタンからカナダに亡命した女性ジャーナリストの、 ナファスはある日、祖国に残した妹から絶望の手紙を受け取る。 間近に迫っている日食の前に、その命を絶つ…と。 妹は地雷によって片足を失い、そのため亡命をあきらめ、 アフガニスタンに残ったのだ。 20年に及ぶ内戦が続く祖国を捨てたナファスだったが、 カンダハールの街に住む妹を救うことを決意し、 イランからアフガニスタンの国境を越える。 日食まであと3日、日食の来る前にカンダハールへ、 妹に再び生きる希望を与えるために。 絶望してしまった妹を救おうと、祖国へと戻ってきたナファスは、 多くのアフガンの人々に出会う。 それは、あまりの貧しさと戦闘続きに、他者を想う心が、 全く欠落してしまったかのような人々。 義手を得るのにみな1年待ちだというのに、義手が駄目なら義足を、 自分では駄目なら足のない母のために、それでも駄目なら、 帰りの地雷のために一つくれと引き下がらない男性。 1年待ってやっと妻の義足ができたけれども、これは大きすぎる、 妻が可哀想だと、他人の義足を持っていこうとする男性。 死体から奪った指輪をいらないというのに、なんとしても、 タダでもいいから持って行けとナファスに食い下がる少年。 このしつこさというか、執着心というか、見ていて正直、 イライラさせられる彼らの行動。 あの手この手で口から出まかせを言い、その場しのぎのことを言い、 自分の都合のいいように物事を解釈しようとする彼ら。 しかし、そんな彼らの行為を責めるわけにはいかないのかもしれない。 そうしなければ、そこまでして自己主張をしなければ、 生きてはいけない、厳しい砂漠と戦争の国で生きているのだから。 空から降ってくる義足に向かって、我先にと駆け寄る足のない人たち。 彼らは、自分の手足を、残りの人生を吹き飛ばした相手のことなど、 恨むことも嘆くこともしないかのように、ただ淡々と生きている。 それが運命だと受け入れてるかのように。 その辺の淡白さと、異常なほどの執着心のコントラストが、 見るものを不安定な気分にさせる。 そして、ブルカに隠された女性たち。 夫婦だと偽って国境を越える旅をするために頼んだ男性が言う。 ブルカはアクセサリーじゃないんだ、しっかり被れと。 でなければ、俺が笑われてしまう、と。 ブルカの色や刺繍でのみ、存在の主張をする女性たち。 爪を綺麗に染め、腕にたくさんのアクセサリーをつけ、 ブルカの中で化粧をする。 そのブルカを抑圧の象徴とするか、女性たちを守る盾と見るか。 あまりにも文化の違いすぎる私には、分からない。 そのブルカの隙間から覗く、沈む夕日。 ナファスは、妹の待つカンダハールへ、たどり着けたのだろうか。 妹の命を、救えたのだろうか。 生きる希望を、与えることができたのだろうか。 これが現実であり、今なおそういう人々がいるということに、 しばらくは思考が停止してしまったかのような、映画でした。
『パッセンジャー』 Passengers 2017.04.01
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