＊モナミ＊ SMAP･映画･本

『エバー・アフター』


昔々、優しい父と田舎の屋敷で暮らしていた、
少女ダニエル（ドリュー・バリモア）。

しかし、父が男爵夫人（アンジェリカ・ヒューストン）と再婚し、
2人の娘を連れてやって来る。
しかもその後、父が急死してしまう。

それからダニエルは、メイドとしてこき使われる生活を送っていた。

10年後のある日、フランスの王子ヘンリー（ダグレイ・スコット）と、
運命的な出会いをしたダニエルだが。


女の子なら誰でも憧れる、『シンデレラ』のお話。
継母にこき使われ継姉たちにいじめられ、そんな灰かぶり娘が、
カボチャの馬車に乗りお城の舞踏会に行き、ガラスの靴を残し、
そして王子様と結婚し、幸せに暮らしましたとさ…。

そのロマンチックな不朽の名作が、とても人間臭く、
いきいきと描かれる。


この「シンデレラ」は、ただいじめられているばかりの、
か弱い少女ではなく。
活発で気が強く頭もよく、辛い毎日に耐えてはいても、
決して卑屈になることなく、楽しみを見つけようとしている。

そして継母を愛そうと、継母に愛されようと懸命に努力する少女。


継母の気持ちも、分からなくもないのだけれど。
再婚してとんでもない田舎にやってきて、その上、夫は急死してしまい、
もう二度とこの田舎から出られないと思ったら、望みは娘に託すしかなく。

自分の娘が王子様と結婚できるのならば、なりふり構わず、
なんだってするだろう。

だけどまぁ、この継母は酷すぎたけれど。
実の娘でさえ眉をひそめるほどの苛めっぷり。
継娘への愛情なんてかけらほどもない、徹底的な悪者になっています。


継母や継姉の苛めにもくじけることなく、いつも明るく、
そして自分の信念を持ち、召使たちを家族のように大切にし、
誰に対してもはっきりと物言うダニエル。

周りはかしずく人間ばかりの王子の眼には、そんな彼女が新鮮に映り。
しかしこの王子もなぁ、典型的な？ダメ王子。
人の話は聞かないし、思い込みは強いし、すぐ突っ走るし。

なぜダニエルがそんな王子に惹かれたのかが、謎。
やっぱりそこは、王位の輝きに目がくらんだか？


自分の恵まれた地位や恩恵にも大した注意を払わず、
それに伴う責任や義務など面倒だとばかり思っていた王子も、
ダニエルの言葉で、その重さと意義を知る。

2人のとりなしに、あのダ・ヴィンチが関わっていたという、
そういう展開もまた、楽しい。
ダ・ヴィンチ考案の羽つきドレス、すっごい可愛かった。

しかしダニエルも「召使」と言ったって、もともとは伯爵の娘よね？
だったら王子様と結婚できる資格は、十分あると思うんだけど。


ドリュー・バリモアが、とってもキュート。
王子のダグレイ・スコットが、どうしても『M：I-2』にしか見えなくて、
困ったんだけれども。

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