*モナミ* SMAP・映画・本
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『戸村飯店青春100連発』 著:瀬尾まいこ 大阪の下町にある中華料理店・戸村飯店。 この店の息子たちは、性格も外見も正反対で仲が悪い。 高3の長男・ヘイスケは、昔から要領が良く頭もいいイケメン。 しかし地元の空気が苦手で、高校卒業後は東京の専門学校に通うつもり。 一方、高2の次男・コウスケは勉強が苦手。 単純でやや短気だが、誰からも愛される明朗快活な野球部員。 同級生・岡野に思いを寄せながら、卒業後は店を継ぐつもりでいた。 春になり、東京に出てきたヘイスケは、カフェでバイトをしながら、 新生活をはじめる。 一方コウスケは、最後の高校生活を謳歌するため、 部活引退後も合唱祭の指揮者に立候補したり、岡野のことを考えたり、 忙しい日々を送っていた。 大阪弁で軽快に語られる、1つ違いの、外見も性格もまったく違う、 兄と弟の物語。 弟バージョンと兄バージョンの物語が交互に描かれ、 それぞれの側から見た、それぞれが描かれる。 弟から見た兄貴は、なんでも器用だし、要領や外面ばかりがいいお陰で、 先生の評判もよく、女の子にもそこそこもて。 実の姿を知ってる弟としては、歯がゆいばかりのそんな兄貴は、 店を継ぎたくないばかりに、小説家になるとか勝手なこと抜かして、 高校卒業とともにさっさと東京へ行ってしまった勝手なヤツ。 しかしそんな兄も、兄の側から見ると、そんな単純なものではなく。 身内意識の強すぎる町になじめないことを、幼い頃から感じ、 お調子者で誰からも可愛がられる弟に、なんとなく引け目を感じていて。 でもそんなことをおくびにも出したこともなく、誰にも言ったこともなく。 淡々と東京へと行ってしまう。 本気でなかった小説の専門学校は1ヶ月で辞め、カフェでバイトをし、 年上の彼女を得て、東京でなんとなく生活している兄。 残りわずかな学生生活を思いっきり楽しもうと、学校行事に精を出し、 高校卒業後は、自分が店を継ぐと当然のように思っていた弟。 年子の兄弟なのに、いや年が年が近いからこそか、反発しあう兄弟。 最初は弟の目から見た兄が、ほんとイヤなヤツなんだけど。 そのスカした理由が、兄自身で語られる辺りからちょっとずつ変わってくる。 なんかねー自分が長子だからか、兄ちゃんの不器用さが分かるというか。 「弟の特権は、兄を見て学べること」と兄ちゃんの台詞があるけれど、 ほんとそれって下の子の特権だと思う。 常々、何をしたら親にしかられるか、何をしたら大人に気に入られるか、 コイツら私見て分かるんだからいいよね、と弟と妹のこと思ってた(笑)。 大阪人やから何かおもろいことをせなあかん、カッコ悪いことせなあかん、 そういう空気になじめない、という兄の不器用さ。 器用に見えて八方美人に見えて、でもそれは他人の懐に飛び込めない、 不器用さゆえ。 情報は筒抜け、いちいち土足で踏み込んでくる大阪の町の人たち。 そんな空気がいつも居心地悪かった兄。 それから逃げようと東京に行ったのに、東京に行っても、 「大阪人」てイメージだけで、面白いことを期待されたり、 そして東京にも大阪人のようにアツい人もおせっかいな人もいて。 そんな兄の気持ちなんか知る由もなく、なんつー勝手なヤツや! 子供の頃からそうやった、いつもスカしやがって、と思っていた弟。 しかしそんな弟に、大ピンチが! さてそんな時、やっぱり頼りになるのは兄弟。 兄弟だから分かり合えるとか、そんな簡単で単純なモンじゃないけれど、 同じ環境で育った、一番身近な人間であることは間違いない。 外の飯を食って、成長した兄。 外の飯を食ってみようかと、成長した弟。 最後は、涙涙。 男兄弟っていいなー、ってすっごい思った、1冊でした♪
【参考】 ◆瀬尾まいこの著書は→
メイキング・オブ・マッドマックス 怒り… 2015.07.24
『家族の言い訳』 著:森浩美 2015.02.07
『あなたに褒められたくて』 著:高倉健 2015.02.05
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