『ヒックとドラゴン』　How to Train Your Dragon

2010.09.10

カテゴリ：映画

遠い昔。
バーク島と呼ばれる島には、バイキングが暮らしていた。
彼らは自分たちを襲うドラゴンを憎み、村を守るために、
ドラゴンたちと戦い続けていた。

幼い頃からドラゴンを倒すための訓練に励み、
ドラゴンを倒して初めて一人前と認められるバイキングの子供たち。

ところが少年ヒックは、一族の頭、ストイックの息子でありながら、
気が優しくて非力な落ちこぼれバイキングだった。

そんなある日ヒックは、傷ついて飛べなくなったドラゴンと出会う。
みんなには内緒で、こっそりエサをあげるようになったヒックは、
ドラゴンに「トゥース」と名づけ、次第に心を通わせていく。

やがて、ドラゴンが決して自分たちの思っていたような、
恐い存在ではないと気づき始めるヒックだったが。

久しぶりに、3Dの爽快感を味わった（笑）。
正直、3D映画は食傷気味だったのだけれど。
別にこれ、3Dじゃなくてもよくない？という映画も多くて。

でもこれは、3Dで観るべき！
トゥースの背に乗って空を駆けるシーンなんて、ほんとに飛んでるよう！
お尻がふわっと浮く感じを、感じた！

ストーリーは、ドラゴンも殺せない弱虫だとみんなに馬鹿にされ、
父親にも見放された、へっぽこバイキングの少年ヒック。

彼がドラゴンを殺せないのは、臆病なわけではなく優しいからなんだけど、
ドラゴンの一匹も倒せずにバイキングなものか！と、馬鹿にされる始末。

体力自慢のバイキングの中にあって、体を使うのではなく、
頭を使い知恵を絞ろうとするヒックは、問題児扱い。

力はないけれど、手先の器用な彼は、色んな道具を発明するものの、
それもまた、騒動のタネにしかならず。

まぁこういう要領の悪い子って、どこにでもいるよね（笑）。
観ててちょっとイラっとしたもん、口ばっかり達者だしさ。

そんな彼が発明したドラゴン退治の道具に運悪くひっかかっちゃった、
一匹のドラゴン。
殺せるはずだったのに殺さなかったヒックに、警戒しつつも、
次第に打ち解ける。

そしてドラゴンを飼いならし、「トゥース」と名前を付け、
その背に乗り自在に操れるようになったヒック。

心を通わせる、というよりかは、餌付けされた感じ？
このトゥースの顔も、小動物ぽいというか、スティッチみたいだし。

トゥースの背に乗っての冒険の途中に、ドラゴンの巣を見つけ、
ドラゴンがなぜ村を襲うのかを知ったヒック。
ドラゴンたちだって、生きるために必死。

またこのドラゴンたちがみんなマヌケな顔してるんだけどね（笑）。
怖いんだか、怖くないんだか。
ほぼみんな、うけ口だし。

バイキングたちの絵面も、いかにもな感じだけれど。
あんな小山のようなマッチョでモジャモジャな父親から、
どうしてこんな爪楊枝が（笑）。

ヒックと一緒にドラゴン退治の実習に参加する子らもまた、個性的で。
でも、悪いヤツではないんだ。
ヒックがドラゴン退治実習の腕を上げていく
（というかドラゴンの習性を知り、操るコツを得ただけだけど）と、
素直に賞賛するし。

体力的にはちっとも成長してないけれど、トゥースと過ごしたお陰で、
ドラゴンを操れるようになったヒック。
しかし、それが小手先だとバレ、父親に勘当されちゃったヒック。
父親は捕まえたトゥースの案内で、ドラゴンの巣に乗り込むことに。

がしかし、もっと大きな敵は、別のところに…。

ヒックとドラゴンの友情物語であり、ヒックの成長物語であり、
ヒックと父親の親子関係の物語であり、ドラゴンとバイキングという、
異種族間の理解と和解の物語であり。

まぁ色んなものが詰まってるけれども、そんなこと考えなくても、
十分楽しいし、ハラハラするし、グっとくる。

そしてラスト。
うわぁ…と思っちゃったね。
トゥースとお揃いになっちゃった…。

でも完璧でご都合主義なハッピーエンドじゃないからこそ、いいんだ。
得るものもあり、失うものもあり。

一番の勇気ある行動というのは、憎みあってた相手を知ることなのかも。