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田崎正巳のモンゴル徒然日記

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2012.02.19
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カテゴリ:モンゴルと中国
モンゴルからのニュースによると、中国企業がモンゴル政府に対してタワントルゴイの石炭購入に関する契約を撤回したいと申し入れているとありました。

TTの本格的開発に関する入札結果はまだ発表されていませんが、政府保有部分について既に中国の会社と販売契約を結んでしまっているようです。

この報道の中に、モンゴルらしい甘い対応ぶりと、中国一辺倒になってしまう時のリスク「チャイナリスク」への警告が含まれていると思いました。

契約撤回の本当の理由はまだわかっていません。それが本質的な問題なのか、中国側によるブラフ?脅し?なのかもわかりません。ですが、モンゴル政府の甘ちゃんブリはわかります。

ニュースによると、TTから運ばれている石炭の品質に問題があり(要するに、低品質ということ)、輸送リスクもあるということで、中国側は契約の撤回を求めているそうです。

ちなみに契約当事者は、民間企業ではなくモンゴル政府です。

TT炭鉱がすごいのは、その埋蔵量が世界一というだけでなく、品質もトップクラスということにあります。なのに、低品質とは?単なる中国の言いがかりか?

ところが、モンゴル側では「思い当たる節」があるようなのです。石炭を運んでいるモンゴルの業者が、途中で高品質の石炭を抜いて、低品質の石炭と入れ替えているようなのです。

つまり、中国側の言いがかりというよりは、モンゴル側の管理問題のようなのです。残念なことに「まさか、そんなことあるわけないでしょ!」と言いきれないところが、モンゴルの問題深刻なところです。

というよりは、多くのモンゴル人は「うーむ、それはありうるよな」と思ってしまうほど、そういう行為は全然不思議ではないのです。もちろん、これは大きな問題です。


モンゴル政府は、世界的に大人気となったTTの契約について「中国側に契約してあげた」という意識もあると思います。そして、お金を前払いで既にもらっているのです。

その額なんと2億5千万ドル。

このお金が、今後のモンゴルの成長や教育などのインフラ整備に使われるなら、もちろん生きたお金になるでしょうが、実はもう全額国民に「ばら撒かれた」のです。

これが将来の成長や子供たちの教育に役に立つならいいのですが、狙いは今年の選挙、つまり選挙用のばら撒きです。

冷たく言えば、政権維持のためであり、国の将来のためではありません。これは本当にひどい政策です。

次に政権に座った人は、石炭を輸出してもお金は入ってこないのです。全部前任者たちが使い尽くしたというわけです。

中国側と交渉する上でも、もう使い果たした後なので交渉力がありません。「うるさいなー、そんなこと言うなら金返すから、契約止めちゃおうか?」なんて嘘でも言えないのです。

つまり非常に弱い交渉しかできません。短期的には、モンゴル側の落ち度への中国側の厳しい対応という形が見えてきますが、長期的にはもっと深刻です。


今回の契約内容は、そうはいっても、TT全体からみれば大した量ではありませんし、TTの品質に問題があったわけでもありません。間抜けなモンゴルの政治家とインチキ輸送業者の問題と言えると思います。

ですが、チャイナリスクがいかに恐ろしいかが顕在化した例と言えると思います。

OTにしろ、TTにしろ、隣に食欲旺盛な資源大食い国がいるので、そこに輸出するのが、一番簡単で安上がりなのはわかっています。

ですが、中国にほとんど独占された後で、本格的な言いがかりを受け「安くしろ」「しないなら、もういらない」などと言われたら、即お手上げです。何も対抗手段はありません。

こんなことは、素人でも外国人でも誰でもわかっているのに、目先の利益を追う人が多いのは残念です。

やはりしっかりと鉄道を建設して、ロシア経由と中国経由のオプションを常に持ち、更に日本や韓国への輸出が本格的にできるように、日系企業とも手を組む姿勢をちゃんと示さないと、数年後にはとんでもない事態に陥ってしまうと思います。

モンゴル人、モンゴル政府だけで中露と立ち向かうのは、やはり危険です。はっきり言って、勝てる相手ではないと思います。

是非とも、日本企業をTT入札に入れてほしいと、日本のためのみならず、モンゴルのためにもそういう決断をしてほしいと思います。

今の政治家たちにとっては、甘い汁(わいろと考えてもいいでしょう)を吸わせてくれない日本企業は役に立たないように思えるでしょうが、必ず役に立つと思います。

こんな声は届かないだろうなー。相手は政治家だし。





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Last updated  2019.05.12 17:00:51
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