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田崎正巳のモンゴル徒然日記

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2017.02.23
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日本との良好な関係を持っているK先生が初代会長になるのは、日本ありきの人事でした。ですが、K先生は日本側の協力がなければ上手く進められないと考え、会長就任を辞退しました。

モンゴル側は急きょ韓国に依頼し、最終的にキム総裁を送ってもらうことになりました。K先生の代わりはもちろん簡単には見つからず、あるモンゴル人が会長になりましたが、その人は韓国とパイプがあるわけではない人だったそうです。

これが2011年です。ですがこんなバタバタのスタートだったのに、その後はキム総裁のもと、堅実に運営されたのです。

キム総裁は、よくある韓国人のように目立つプロジェクトをやりたがったり、自分の力を誇示したり(これは共にモンゴル人談です)する方ではなく、堅実に地道なプロジェクトを選んで融資していたそうです。

堅実な人、地道なプロジェクト、という言い方は、公的銀行の総裁としてはほぼ世界的に見ても「誉め言葉」だと思います。ですが、もちろんここはモンゴルです。

モンゴルの政治家は、この「堅実な人」「地道なプロジェクト」が気に食わなかったのです。でなんと、わざわざお願いして韓国から来てもらったキム総裁を首にしたのです。2014年のことです。

もちろんそれは当時の民主党政権です。外国人トップを追い出して、モンゴル人だけでこの開発銀行の資金を自由にしたいということです。

その結果「やっちゃえ、やっちゃえ!こんなに金があるんだぞ!」とばかりに、散財に賄賂に使ってしまったというわけです。全く持ってモンゴル人らしい話で、モンゴルを知る多くの日本人なら「わかる、わかる」と言いそうです。

もちろん、それらが有効な投資資金に回ったわけでも、返済が見込まれるプロジェクトに投入されたわけでもありません。ただ「消えてなくなっただけ」なのです。

例えば、自分が所有する道路建設会社の売上に付け替えるとか、大幅水増しの見積もりに発注するとか。本来は開発銀行の資金使途は国会の承認が必要なのですが、もちろんモンゴル人総裁は政治家の言いなりで、そんなことは無視します。これがモンゴル人政治家の実態と能力です。

じゃあ「K先生だったら、こんなことにはならなかった」と言えるのか?半分はNoで半分Yesというところでしょうか。

仮にK先生が会長だったとしたら、K先生は悪いことなんかできない人ですからどうなっていたか?それは簡単です。政治家がK先生を首にしていただろうというのが、専門家の見方です。これが「半分No」の意味です。

ただ、K先生だったらの仮定というのは、当然その場合は初代総裁は日本人になっているという前提です。その場合は「日本人総裁だったら、いくら民主党でも首にはできなかったですね」(モンゴル専門家)だとのことです。

もっとわかりやすく言えば「正直、モンゴルの政治家は韓国人総裁だから首にできたのであって、相手が日本人だったらそんなことはできません。日本人への尊敬は非常に大きいですから」(モンゴル人専門家)だそうです。

つまりあの時日本人が総裁を引き受けていれば、さすがの民主党政治家も開発銀行には手を出せなかったということです。

これは「開発銀行設立に深くかかわったモンゴル人」の言葉ですから、説得力あります。なので、「半分Yes」となるのです。

というわけで、2011-14年のキム総裁の時期の融資には全く問題なかったが、その後モンゴル人だけで経営をやるようになってから、現在に至る問題融資・投資が発生したのです。その結果は?

2014年以降のモンゴル人会長とは昨年逮捕されました。そしてなんと一昨日21日にモンゴルの政治家二人が逮捕されました。

一人は元経済開発大臣で、もう一人は元(当時の)国会議員で道路会社社長です。ちなみにこの道路会社は、私のクライアントの競合会社だったので、私も名前はよく知っていました。

私の当時の分析では「この会社、急成長した形跡があり、何か裏でうまいことやっていそうだな。別に技術力があるわけじゃないのですから。」という見立てでした。こういうことだっただな、と今頃納得しているわけです。

今回のIMF合意の発表で、国民にとっては「なんで我々国民が悪い政治家の尻ぬぐいをしなくちゃならないんだ?」との空気が蔓延しかかっていた時だけに、この逮捕には多くの国民は納得しているでしょう。

いずれにしても言えるのは「今、忙しいんです」との理由しか持ち合わせていない金融庁の判断で、こうして一つの発展途上国の経済・歴史が影響するんだなと言うことです。

日本の役人にはもう少し自覚を持って仕事をしてもらいたいと切に願います。

(完)





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Last updated  2017.02.24 01:37:56
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