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これは、普通の高校での話。
僕は某運動部に所属している高校三年生だった。部活でも頭髪やピアス、制服の着方などうるさい為、きちっとした身なりで、毎朝、下駄箱の前に立っている生活指導の体育教師の前を通るような日々。 そんなある日の出来事だった。その日の朝は雨が降っていた。いつものように生活指導の先生の前を通ると、同じクラスの、みんなからヤンキーのレッテルを貼られているクラスメイトとその友達達が先生と何やらもめていた。いつもの事だと思って靴を履き替えていると、先生の怒鳴り声が聞こえてきた。 「いいかげんに髪を黒くしろ。カッターシャツも着て来い!きちっとしてないと何かと不便だぞ!お前らの為に言ってるんだ!!」 その日はいつになく機嫌が悪かったのかその声は周りにいたみんなに驚きを与えた。クラスメイトもかなり反発していて、かなり険悪なムードだった。僕はその場に居ることが出来ず、教室に向かった。そして、一限目が始まってすぐ、さっきのクラスメイトが遅れて入ってきた。どうやら怒られ続けていたらしい。険悪な顔をしたクラスメイトは一日中ぼーっと席に座っていた。 授業も終わり、外を見るとすっかり雨は止んでいた。そんな時クラスメイトが声をかけてきた。 「明日の球技大会中止ぽいな~。楽しみにして練習してたのに。」 そう、僕も忘れかけていたが明日は球技大会だったのだ。そして、運動部はみんなで毎回その準備をしなければならなかった。僕にとっては、球技大会など、お遊びのようだった。三年生で部活の最後の大会も近いため、どちらかと言うと準備などがあるので、面倒な行事だった。球技大会自体は授業がなくなりいいものだが、あまり学校の行事に興味のなさそうなクラスメイトがそんなことを言い出すのがかなり意外だった。そんな時、放送が流れた。「グラウンド状態が悪い為、今日の球技大会の準備は中止します」 それを聞くとクラスメイトは残念そうな顔をして教室を出ていった。僕も部室へと向かった。 そして、練習前、グランド状態を見ようと僕は目を向けた。すると、一人の先生が土の山からグラウンドの水溜まりの出来た部分を埋めていた。それは朝クラスメイトを怒鳴り散らしていた生活指導の先生だった。先生は一人でたくさんある水溜りを、一つ一つ、丁寧に埋めていた。しかし、僕は一人では無理だろうと思っていた。そして、休憩中、諦めたかなと思って外を見ると、半分以上の水溜まりが埋まっていた。よく見ると先生意外に7、8人の生徒が手伝っていたのだ。その生徒の中には怒られ続けていたクラスメイトの姿もあった。見れば、手伝っているのはみんな先生によく怒られたりしている生徒ばかりだった。僕は驚いた。いつもは怒られてばっかりの生徒達だけが手伝いをしていたことに。普段先生に怒られたりしている生徒の方が、生活指導上の恐い先生ではない、先生の本当の人間性をよく知っていたのだ。僕が練習を終えて、グラウンドを覗くと後片付けをしているみんなの姿があった。時間はもう8時を過ぎていた。すべての水溜りは埋まり、先生とみんなはすごいいい顔をしていた。そしてクラスメイトは僕にこう言った。 「めっちゃ疲れたわ~、でもこれで明日球技大会できそうやな。」 すると先生は、少し笑みを浮かべた顔でこう言った。 「だから何回も帰れって言ったやろ。部活でもないのに学校にこんな時間まで・・・親御さん心配するぞ。道具は俺が片付けとくからもう帰れ。寄り道とかするなよ!」 僕は先生が普段見せない表情や言葉をその時見た。きっと、クラスメイトには先生が自分のためにいつも注意をしていることをわかっていたのだろう。そして同時に、先生もクラスメイトの気持ちをわかりながら怒っているように感じた。そんな、先生とクラスメイトの関係を羨ましく思った。 そして次の日球技大会は行われた。みんなが盛り上がり、僕達のクラスは優勝した。ふと、クラスメイトを見ると、誰よりも泥だらけだった。そして、クラスメイトは先生のところに走って行き、抱き合った。この姿の本当の意味を知っている人は少ない。きっと僕はその姿を一生忘れないだろう。 そしてその次の日の朝、また生活指導の先生に怒られている、クラスメイトの姿があった・・・・
マジ嬉しいです。ようやくブログしたって実感出来ました。
ホントにそう感じます。私達一人一人が感じることの出来る感動ってほんの少ししかないんじゃないかって思ってます。だからいろんなお話を伝えられたらなって思ってるので今ちょくちょく読んでくださいね。 コメントありがとうございました。((2006.10.26 06:45:31) │次へ >> │一覧 │コメントを書く │ 一番上に戻る │ |