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森へ行こう(心とからだと子育てと)

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森の声

森の声

2013.07.17
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カテゴリ:カテゴリ未分類
今、子ども達の体力や筋力の低下が指摘されていますが、低下しているのは体力や筋力だけではなく、本能的な運動感覚や運動神経もかなり低下しています。

体力や筋力の低下は、学校での体力測定によって明らかになっています。だから公的に発表もされていますが、本能的な運動感覚や運動神経の低下の方は、保育園や幼稚園などでの遊びの場で、現場の先生達によって報告されているだけなので、あまり大きく発表されてはいません。

いま、走ることが苦手な子、すぐ転ぶ子が増えてきています。走らせると、「どこか身体に障害があるのではないか」というような不自然な走り方をしたり、老人のように何にもないところですぐ転ぶのです。

わらべ歌などで、「花いちもんめ」のように、手をつないで後ろ向きに歩くことがあるのですが、後ろ向き歩きをするとすぐに転ぶ子も結構います。

転んだとき、手が出なくて顔面が直接地面にぶつかり大けがをしてしまう子や、ボールが顔に向かって飛んできているのに避けることも目を閉じることも出来ず、眼球を傷つけてしまう子が増えてきた、という報告はかなり以前から出ています。

うちの子が小学生の頃、別のクラスの子がブランコから落ちてケガをして救急車で運ばれるという事故がありました。

最初は、何かふざけていて落ちたのかと思ったのですが、そうではなく大きくこいでいるうちに、途中で怖くなって手を離してしまったらしいのです。

今の子ども達は、遊びや生活の中で「しがみつく」という体験が少ないので、しがみつく力も、しがみつこうとする本能も弱いのです。

親子遊びで、子どもを布に乗せて引っ張る遊びをするのですが、布の上にちょこんと座るだけでしがみつこうとしない子がいっぱいいます。

(ベビーカーではしがみつく必要がありませんからね。)

そのような状態で布を引っ張ると、後ろにコテンと倒れてしまうので、「布を持って」と言うのですが、なかなかその感覚が分からないようです。

四つん這いになったお母さんやお父さんの背中に子どもをしがみつかせて、振り落とすような動きをする「ロディオ」という遊びがあるのですが、この時もただちょこんと乗るだけでしがみつけない子がいっぱいいます。手だけはしがみつけても、足まで使うことが出来る子は少ないです。

そのため、すぐに落ちてしまいます。

うちの子達も小さいときからこの遊びをやっていたのですが、うちの子達は四人とも、まるで「大リーグボール養成ギブス」のようにがっちりとしがみついて、どんなに暴れまくっても落ちませんでした。そのまま立って、ジャンプしても落ちないくらいでした。

でも、我が子以外で、そのようなことが出来る子とは会ったことがありません。

あと、「ランドセル」とか、「お猿の赤ちゃん」とか、しがみつく遊びは色々とあるのですが、今、しっかりとしがみつくことが出来る子は多くありません。

また、鬼ごっこのようなことをしていると、前を向いて走らないため、正面衝突もよく起きます。

細かいからだの使い方も苦手です。
「こより」(分かりますか?)を撚ったり、羊毛を小さく丸めたり、針に糸を通したり、コマのヒモを巻くような作業も苦手です。

からだ全体を使って、剣玉の球をひょいと上に上げるようなからだの使い方も苦手で、腕だけで剣玉を振り回してしまうので非常に危険です。

竹とんぼを飛ばすのも、弓矢を飛ばすのも苦手です。

からだの感覚が非常に鈍いのです。

そのため、カッターやノコギリのような刃物を使わせると非常に危険な使い方をします。それで、「正しい使い方」を教えるのですが、からだの感覚が鈍い子は、なんべん教えても自己流でやろうとします。

また、そういうものでケガをしたことがないので、ケガに対する認識もありません。
それでケガをしてしまう子もいます。

それでも、3,4才頃の子ならケガをしても、またやりたがるのですが、年長さんや小学生ぐらいになると、一度ケガをしてびっくりしてしまうと、「ぼく それ嫌い」といって、二度と手を出さなくなる子も結構います。

また、自分がケガをするだけならいいのですが刃物の怖さを知らないので、平気で振り回したり、危ないことをしてしまう子もいます。

日常的にからだを使った遊びをして来て、小さいときから色々と痛い目に遭ったり、ケガを体験して来た子の場合はこのようなことはないのですが、今の子ども達の多くは、ただ単に走り回るような遊びはしても、からだ全体を使った遊びをすることもなく、基本的には安全に管理された場で、安全な遊びをしているだけなので、このような「危険に対応する能力」が育っていないのです。

自転車に乗りながら平気でスマホをのぞき込んでいるような子も、左右を見ずに平気で道路に飛び出してくる子もそういう子だろうと思います。「危険」の体験がないので、「危険」という認識がないのです。

うちの近くに、自動車道路とつながった細い路地があって、高校生達もよく自転車で通っているのですが、見ていると左右を見ないまま自動車道路に飛び出してくる子が非常に多いのです。

ここに書いた能力は、「体力測定」という形では調べることが出来ませんが、自分の身を守り、他の人をケガさせないためには非常に大切な能力なんです。

でも、今の子ども達はそのような能力が非常に低下してしまっています。

そのため、お母さんや大人達は、子どもの安全を考えて、さらに安全な状況の中に子どもを囲い込もうとしています。

そして、それが「子どもを守る」ことだと思っています。

その背景には、現代人の「危険」に対する強い不安と恐れがあります。

そのため、「危険に対処する能力」や、「危険を避ける能力」を身につけさせるのではなく、ただ単純に子どもから「危険」を遠ざけることだけを考えています。

でもそのことで、子ども達は更に「自分の身を守る能力」を育てる事が出来なり、危険な状態になってしまっているのです。

だから更に、危険を遠ざけ・・・と悪循環になってしまっています。


また、自分の身を守る能力が低い子は、他の子をケガさせる可能性も高くなります。何が「危ないこと」なのか分からないからです。

それは、「危険なイジメ」が「遊び」として行われていることともつながっています。

ケンカをしたときでも平気で倒れた相手を蹴ったりしてしまいます。相手の痛みも、「その結果・・・」もイメージできないのです。

それって、本当の意味で子どもを守っていることになるのでしょうか。

現代人は「病気」に対しても同じように対応しています。病気に負けないからだを作るのではなく、ただ病気の原因を遠ざけようとするばかりです。そのため、ますます病気にかかりやすいからだになって来てしまっています。

現代人は「大切にする」ということを「管理すること」と考え、「守る」ということを「危険を遠ざけること」と考えています。

でもそのことが、生命の働きを弱めてしまっていることには気付いていません。

このいずれの考えにも共通しているのが、「相手の立場に立って考える」とか、「相手の特質に合わせて考える」という視点の欠如です。


現代人は他者から切り離された状態と価値観の中で育っているので、自分中心にしか物事を考えることが出来なくなってしまっているのです。





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Last updated  2013.07.17 08:09:12
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