カテゴリ:マンガ・コミック好き
毎回変わった題材で書くひとなんですね、山本英夫氏は。
これはまさしく、際物というか、人間の闇を表しているような内容。 最初に「トレバネーション」という言葉が出てくる。 これは頭蓋骨に穴を開け、第三の目を開眼させるようなものと考えられている。 つまり超能力(テレパシー、念力、予言など)を持つことができるのではないかと。 それについて本文中でも説明されているので、引用して書いておくと、 人間は元々、生まれて一歳半までは、頭蓋骨に隙間があって、いわば穴が開いている状態。 それが塞がって、さらには大人になるに従って、頭蓋骨がギューっと閉じていく。 よく大人が「オマエの頭はガチガチだなぁ」っていう表現を言うが、まさにその状態。 この閉じてしまった成人の頭蓋骨に穴を開けることによって、頭蓋骨内の圧力が変化し、脳に大量の血液が流れるようになり、脳の活性化した状態を取り戻す事ができると言われている。 その結果、第六感が生まれてくるようになる。 とまぁ、頭に穴を開けるという恐ろしい行為のこと。 これ調べると実際に行っており、特筆すべきは医者が相手にしてくれないから自分でやったとのことで、さらに驚く。 実際に穴を開けた人は、口を揃えて気分爽快だ!と言っているようだ。 しかし、この事によって第六感が養われたかというと、どうやらそうでも無いようだ。 詳しくは 頭蓋穿孔 - 「トレパネーション」は第三の眼を開くか を参照ください。 このコミックの「ホムンクルス」の言葉の意味は、 錬金術師・パラケルススが作り出したとされる人工生命体。またはその生命体を作り出す作業のこと。 この意味は、本書を読むに従って解き明かされて行くようにおもう。 ストーリーはおおよそ、以下のようなもの。 主人公である「名越 進」は、いままでの人生を否定し、ホームレス状態になるのだけど、今一、真のホームレスに馴染むことがプライドとして拒否していた。 しかし、生きていく為の金が底を尽きたとき、医者の息子の医大生「伊藤 学」から、「トレバネーション」をさせてくれて、その研究台になってくれたらば、現金70万だすと持ちかけられる。 一旦は拒否したものの、背に腹は替えられない為に、受けることにした。 そして名越は、術後に左目で見る世界に驚愕する。その目を通して交わる人間達がさらに名越の体に異変を起こしていく。 この「ホムンクルス」を読み進むにつけ、人の奥底に潜むトラウマに似たもの「心の闇」を、主人公が引き出し吸収していくことに気がつく。 が、その先になにが待っているのか、見当も付かない。 描写は、山本英夫の独特なタッチで描かれ、おどろおどろしく、まか不思議な世界を生み出している。 いったい何を書こうとしているのか、ここまで読んでもまだ解らない。 参考 ホムンクルス 1~6巻(続刊中) (週刊ビッグコミックスピリッツに連載中) 漫画家:山本英夫【公式】サイト お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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