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この夏、北海道に行ってきた。 最初に訪れたのは、富良野の北にある美瑛町。 緩やかな丘のまちとして有名である。 ジャガイモや小麦の畑が、 緩やかな丘となってどこまでも広がる。 青い空とパッチワークのように広がる大地。 その美しいコントラスト。 カレンダーで言えば、 まるで8月の写真のようである。 そんな美瑛、写真や絵で見るかぎりは、 とってもすがすがしい印象を抱く。 きっと、美瑛の空気の香りも、 清々しく、グリーンな香りがほんわりと風に乗ってきそうだ、 そんなイメージを持つだろう。 しかし、実際の美瑛の香りは、あまり清々しいとはいえない。 草いきれと、 牛や堆肥のアニマリックな匂いが混ざったような香りだ。 それから、 干草のどことなく甘い香りもかなりの割合で 含まれている。 そう、 写真や絵にある風景の実態は、「畑」であることを 忘れてはならない。 美瑛町の香りの元は、「畑」だった。 風景から受け取るイメージと、 実際に自分の鼻で感じる香りと、 ギャップが生じることがある。 その場の空気をイミテーションするか、 イメージを大切にするか。 いくら、風景の香りを得意とする朝風も、 ここんところは、かなり悩みどころではある。 それにしても、 美瑛町は、だいぶ観光化されてしまったようだ。 CMの撮影で使われたような 有名なスポットには、こぎれいな売店などが立ち並んでいる。 10年前に訪れたときには、 本当に素朴で、そういうものはなかったんだけれどな...。 ただただ、ひたすらに続く丘があるだけだった。 時の流れと、風景の移り変わりを感じた。 同じ場所でも、 訪れるときによって観ることのできる風景は一期一会。 丘の畑も、同じところには、同じ作物を輪作はしない。 だから、地元の人にとっても、 今年の夏の風景は、来年には出会うことができないそうだ。 一期一会の風景。 その刹那を、香りとしてしばらくとじこめたい。 │<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く │ 一番上に戻る │ |
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