自動車のETC普及と割引制度が広がり、ETC利用者が増える中、高速道路
ETCレーンの交通事故が増えています。
今回は、AIU保険会社の損害サービスの資料「Pro Help News 3月号」から最新の裁判事例の傾向をご紹介致します。
(設問)
高速道路ETC専用レーンを走行していたAさんは、レーン内でバーが上がらないため、慌てて減速し、急ブレーキで停車しました。
AさんはETCカードを差し忘れていたのでした。
カードを入れようとしましたが、後続車両のBさんに追突されました。
この場合、Aさんにはどの位の過失割合があるでしょうか?
(答え)
裁判所の判断の傾向はこうなります。
ETC車載器を搭載していても、車載器とアンテナの不具合やETCカードの差し忘れ等が原因でECTゲートに進入した車両が必ずしもノンストップでETCゲートを通過できるとは限らないことは昨今においては公知の事実となっています。
したがって、Aさんの過失割合はゼロ%で、Bさんの過失割合が100%となります。
(解説)
実は、2年位前までは、このようなケースでAさん側に10%から30%の過失割合があるとされてきました。
しかし、昨年2件続けてETCレーン事故で、被追突者に責任無しとの判断がなされました。
(横浜地裁:平成21年5月20日判決・東京地裁:平成21年7月14日判決)
これが今後の判断指標となりそうです。
裁判所は、ECT普及に伴い、ノンストップで通過できることがETCレーンでは必ずしも約束されているものではないこと、及びETCシステム利用規定第8条に「ETC車線内は徐行すること」「前車が停止することがあるので、必要な車間距離を保持すること」とあることから、後続車には減速及び十分な車間距離を保持すべき義務があるとしたのです。
類似例として、次のケースでも後続車側が過失割合100%と判断されています。
●ETC機器の不備だった場合
●ETCカードの期限切れの場合
●ETCレーン内での急な割り込みがあった場合
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