バリチェロ悲願ならず
「PPを獲得したことで、ファンのみんなは優勝が確約されたように思っているかもしれない。しかしレースは何が起こるかもわからない。それでも、ぼくは(優勝を)もぎ取ってみせるよ」 ルーベンス・バリチェロは91年のセナ以来のブラジル人による、地元GPの優勝を目指して力強くコメントを残した。
そして、決勝。スタートは路面はウェット。各車がレインタイヤを装着してスタートを迎えたが、ルノーのアロンソ、ビルニューブ、マクラーレンのクルサードはドライタイヤを選択。雨がやみ、路面が改善することに賭けての選択だったのだろう
結果的に5-6周目に各車はドライタイヤへの交換の為にPIT IN。ドライタイヤ選択組はギャンブルに勝ったかに思われたが、結果としては思惑通りには行かなかったようだ。優勝はウィリアムズのモントーヤで、モントーヤとしてもウィリアムズチームとしても今シーズンの初勝利。2位にはシーズン後半に速さを見せ始めたマクラーレンのライコネン。来シーズンはチームメイトとなる二人のバトルは見応えの有るものだった。
特に1回目のピットインは同時に入り、ピットアウト時には何と2台が併走してピットレーンを駆け抜けるというシーンも見られた。(あれは危なかったが、もし接触していたらどちらにペナルティが出たのだろうか?)
バリチェロは結局3位に終わる。地元ブラジルでのバリチェロはこれまでもツキが無く、初めての表彰台獲得だそうだが、表面的にはそれでも喜びを見せるものの、内面の悔しさもにじみ出る複雑な気持ちだったのだろう。
注:(追記10/26)ピットレーンでの2台のバトルについては、ライコネンに10,000ドルの罰金が科せられました。まぁ、当然と言えば当然。ピットレーンはバトルをする場所では有りません。最も一番悪いのは、モントーヤが来ているのに「GO!」を出した、ロリポップマンでしょうが・・。)
日本期待の佐藤琢磨は、終始5-6位付近を走行。レース中のペース、特に燃料が軽くなってもそれに比例してペースタイムが上がっていかないという、大きな課題を突きつけられた1戦だったように思う。一発の速さに関してはもはやトップクラスでは有るものの、燃料の重いときや、タイヤがたれてきたときなど、ベストでない状態でも安定したタイムを刻むことが課題かもしれない。また、バリチェロに追い上げられていたときの、1コーナーでのミスも終われるプレッシャーか、痛めた首の影響があったのか・・・。最後のラルフとのポジションチェンジも含め、トップクラスの争いの厳しさを実感させられた。
それにしても、最終戦ともなると各車メカニカルなトラブルによるリタイアはBARのバトンのみ。ホンダエンジンは今シーズン度々ブローに見舞われてきたが、最終戦でも出てしまったのは象徴的だったのかもしれない。しかし、コンサバな安全策よりも、挑戦する姿勢を貫き通した結果という見方も出来る。来シーズンはエンジン規定がさらに厳しくなるようなので、一層期待して応援したい。
今シーズンフェラーリが独走し、BAR・ホンダとルノーが躍進したのはウィリアムズとマクラーレンが不調だったせいではあるが、その2チームはさすがに地力が有ることを実感させてくれた最終戦でもあった。
バリチェロを抜き去ったのももちろんだが、BARやルノーにもつけいる隙を見せず、速さの違いを見せつけてくれた。これがもう少し早く体制を立て直していれば、コンストラクターズランキングもまた少し違った形になっていたのかもしれない
個人的にはこのブラジルのサーキットは面白くて好き。アップダウンが合ったり、バンピーな為にマシンの挙動が乱れたり。特にエス・ド・セナのバトルはいつもハラハラさせてくれる。上海などの様な近代的なサーキットも良いけれど、きちんと風景を持った、ブラジルGP(ホセ・カルロス・パーチェサーキット)もこれからも継続して欲しいGPだと改めて思った。
さぁこれでF1も全戦終了。来期はレギュレーションも大きく変わるということで、また激しいバトルが見られそう。
また、F1は終わったけれど、まだF-NIPPONはチャンピオンが決まらず、11月7日の鈴鹿最終戦決戦となります。また、JGTCもまだ2戦が残ってます。こちらも注目しましょうね。
各地で被害に遭われた方々、お見舞い申し上げます
昨夜のF1中継中にも新潟では余震が続いていたようで、2回ほど地震速報が流されていました。また、先日の台風23号で水害等にあわれた方達もまだ復旧はこれからだともいます。今年、琢磨の開運祈願に訪れたお松権現周辺も水害の被害が出ていました。
各地で様々な被害に遭われた皆さんの一日も早い復旧をお祈り申し上げると共に、被害に遭われた皆様にお見舞い申し上げます。
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