先のサンマリノGPで重量規定違反の疑いがもたれ、レースではお咎め無しと一旦判断された事件は、FIAが悪質な違反として提訴し、今年の選手権からの除外を求めていましたが、先ほど2レースの出場停止という裁定が出たようです。また、先日のサンマリノGPでのポイントも剥奪されます
BARホンダ 2レースの出場停止処分
(F1Racing.jp)
この事件はサンマリノ後、詳しい情報が流れず、ファンをヤキモキさせていました。
内容を改めて簡単に整理してみたいと思います。(私の知る範囲の情報ですので、誤解があればご指摘下さい)
サンマリノGPにおいて、レース終了後に燃料を抜いて計測したところ最低重量規定を下回っていた。またこの際BARの、マシンは2重の燃料タンクを搭載し、その燃料をバラストとして最低重量を満たす重量として利用していたことが明らかになった
BARの主張
1,レース中に最低重量を下回っていた事実は無かった。(レース中2番目のタンクの燃料は使用され無かったという意味か?)燃料の残りが6kg未満になると車の燃料システムは効果的に作動しない
2,最低重量(600kgルール)が適用されるのは車がフィニッシュした時点での車重であり、燃料を抜き取った後の車重ではないと解釈している
3,これらの行為は、詐欺あるいは不誠実によるものではない
FIAの主張
チーム側に不正行為、不誠実、および詐欺的行為があった
チームの2005年F1世界選手権からの除外というきわめて重い処罰を要求
100万ユーロ(約1億4000万円)の罰金を課すように要求
以下は私見です。
BARチームは、悪意やレギュレーション違反を承知の上で、2重タンク構造を採用しこれらの行為を行ったものでは無く、また、レース中に最低重量を下回ったことは無いと主張していますが、そもそも、それではなぜこのようなマシン構造を採用したのか大きな疑問を感じます。完全に遮断されたタンクであるならともかく、燃料として利用することができるタンクの存在は、万が一の時の大きな保険として大きなメリットを得ることができるでしょう。たとえば、ライバルと激しい争いをしている状況で、今PITに入るしか無いという状況と、後1-2周のPITタイミングを選択することができる状況はチーム戦略に雲泥の差を生む可能性があります。
BARに明確な違反の意志はなかったにしても、レギュレーションに抵触する可能性は感じていたはず。合法を主張するなら、何故あえてこのような構造を採用したのか明確にする必要があると感じます。結果としてメリットを得ていなくても、メリットを得る状況を意識いていて、その状況が違法な状況であったならそれは・・・・・・。
おそらくはBARがこの状況が違法な状況であったとは認識していなかったのかも知れません。これは昨年のサスペンション構造などの点でもありましたが、政治的に問題をクリアにしておくというチームの力不足が、原因のひとつなのかも知れません。
この問題が明らかになって以降のBARの対応を見ていると、このように感じずにはいられません。それとも、この感想はBAR・HONDAと佐藤琢磨を応援したい気持ちがなせるものでしょうか。
私の知る限りのニュースを見る限りでは、いすれにせよ、今回のBARのマシンを手放しで認めることは残念ながら難しく感じます。せっかくサンマリノGPで反撃の狼煙を上げたかに思われるBARチームですが大きく勢いをくじかれてしまいました。
最後に、この問題が明らかになった当初、WRCでのかってのトヨタの違反に匹敵するかも知れないとの印象を得ましたが、私の気持ちの中では、その印象は和らぎました。トヨタの件では章かな隠蔽のための機構まで組み込まれていましたが、今回のBARの件では、あえて隠蔽しようとするものでは無かったのでは無いかと感じているからです。つまり、明らかに違法と知った上でのものと、レギュレーションに問題を生じる可能性は感じながらも、許されるのでは無いかという判断に基づいての行為という差を感じるからです。
私たちファンに取っては、スペイン及びモナコの2レースの出場停止という判断は非常に残念です。しかし、最悪の1年間の出場停止という事態を免れたことには、ホットします。この判断にBARがどの様に対処するかわかりませんが、どの様になろうとBARの主張が100%認められるのは難しいように思います。
また、マシンは作り直さねば新たに参戦することはできないでしょう。せっかくの上昇気流に乗りかけたと思った佐藤琢磨が、この悔しさをバネに、復活の時に爆発してくれることを期待したいと思います。がんばれ!琢磨!!
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