スーパーアグリF1チームがようやく体制発表を行った。
パートナーとして発表されたのは噂通りでイギリスのマグマグループ。
ドライバーも佐藤琢磨と、デビットソンのままで、ホンダとの提携関係もこれまでのとおりとされている。
ただし、詳細については契約が終わっていないと言うことで、詳細の発表はしばらく後になるというとらしい。
スーパーアグリF1公式サイト
ひとまずは、スーパーアグリの参戦が発表されたと言うことで一安心と言うところではあるけれど、これからチーム体制がどのように変わっていくのか若干の不安もある。マグマグループを率いる、マーティン・リーチ氏はフォードに務めていて、マツダにも出向で来ていたこともあるらしい。モータースポーツへの興味はもともと深く、全くの門外漢では無いのが救いのように思われる。一方で、おのグループはホンダのニック・フライの紹介と言うことで、事前の噂では、亜久里自身はこの話に積極的ではなく、日本の投資家との話をまとめたがっていたとされていた。
もともとスーパーアグリの設立に深く関わったホンダであるけれど、その思惑の中に、当時のBARホンダが佐藤琢磨を解雇したことに対する批判をそらすことがあったと見る向きは多い。F1チームを持ちたかった鈴木亜久里と、ホンダの思惑はこの時一致していた。
しかし、その後両者の思惑通りには進んでいかなかった。
最初の誤算は、スーパーアグリがなかなかスポンサーを見つけられず、経済的に独り立ちできない状況にあることだろう。
日本でのスーパーアグリの人気は高く、ファンの注目はトヨタでも、ホンダでもなくスーパーアグリに集まっていた。しかし、日本からのスポンサーは集まらなかった。昨年は当初から危ぶまれたSSユナイテッドを獲得したものの、結局スポンサー料は振り込まれることなく終わり、経済的な苦しみの大きな原因となってしまった。
過去2年間は、ホンダが実質的に活動費用の多くを面倒見てきたと言われているが、ホンダも自身の問題があって、いつまでも経済的な支援はできないのは明らかかだろう。
もう一つの誤算は、ホンダワークス自身の大不振。
2006年の1勝をあげる活躍が2007年も継続していればともかく、2007年はワークスとして屈辱の年となってしまった。以前からニック・フライはリソースをワークスチームに集中するべきだと主張していたが、その主張が正当性を持ってしまう結果だったといえる。その結果、当初は本社主導だったスーパーアグリへの支援は、ワークスチームが口出しする理由ができてしまった。つまりは、ワークスチームにメリットが無ければ、スーパーアグリを支援する必要は無いということになってきてしまったのではないだろうか。
ホンダ本社としても、批判は覚悟しながらも、スーパアグリが重荷になってきているのだろう。
今回の提携をうがった見方をすれば、スーパーアグリとホンダが距離をとるための一歩とも見える。ホンダとしても、スーパアグリには経済的に独立してもらわなければ本体も困るということ。
今年は鈴木亜久里は代表として残るにしても、マグマグループとしての考えは徐々に出てくる。その時には、ホンダは関係をゆるめていくこともできる。
いわば、徐々にスーパアグリを切り捨てていき、ワークスチームへのリソースの集中を図っていくこと。それこそが、今のホンダの希望なのだろう。
詳細が発表されるまでは様々な憶測がわきそうではあるが、それでも今はともかく、今年一年スーパアグリがF1シーンにいることができることを喜ぶべきなのかも知れないが・・・・
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