|
|
|
|
| HOME | Diary | Profile | Auction | BBS | Bookmarks | Shopping List |
│<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く |
久しぶりのアン・タイラーの新訳です。
今回の主人公は中学校教師をレイオフされた60歳のリーアム。 これを機に、郊外の小さなアパートに引越し 生活を縮小し、人とのつきあいも最小限に。 新しい人生を歩もうとします。 ところが、引越した当日の夜、パティオから侵入した 何者かに頭を殴られ、ケガを負い 気が付いたら病院のベッドの上。 その間の記憶は全くありません。 記憶を取り戻すべくリーアムは必死になるのですが その際に37歳の女性ユーニスと出会い、 新しい交際が始ったり、 別れた妻が引きとった末娘のキティが転がり込んできたり、 と、リタイアも考えているリーアムにとっては 騒々しい生活が始まります。 キティはボーイフレンドのダミアンと 一緒に過ごしたいけれど ママのバーバラは心配のし通しで リーアムの監督能力を疑います。 二女のルイーズは5歳の息子のジョナの 子守りを頼みに頻繁に訪れます。 どたばたと家族の物語が進行し リーアムの不運な人生も浮かび上がります。 大学で哲学の講師だった彼が どちらかというと下降線の人生を歩んできたこと。 結婚を二回して、ダメになったこと。 そして記憶そのものの述懐が心にしみる。 人生は忘れてしまったことの方がずっと多い。 最初から記憶喪失だった自分に気づきます。 タイトルの「ノアの羅針盤」は聖書に出てくる 「ノアの方舟」のノア。 方舟には羅針盤などついていなかったでしょう。 なにしろ海の上を漂っているだけなのですから。 方角などノアには不要でした。 二回の結婚は敗れ、仕事も下降線だったかもしれない。 でも彼はとっても幸せに見えます。 本人は静かに哲学書を読む生活を望んでいるものの 叶えられないようですが。 『ノアの羅針盤』 "NOAH'S COMPASS" Ann Tyler 訳:中野恵津子 [海外の小説]カテゴリの最新記事
│<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く │ 一番上に戻る │ |
|