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昭和初期、東北の貧しい農村で、 肺病の家系を村人から疎まれ、村八分にされる鉄は 父親について狸打ちを覚えます。 胸をわずらう兄に代わり、幼い頃から家計の足しにと ふんばります。 生まれる前に、占い師のおばばに 「ロクジゾウがついている」と予言された鉄は しかし坂道を転げ落ちる人生を歩み始めます。 彼は愛する人、心から慕う人と長く共にいられない運命を 背負っているかのように、次々と不幸が襲いかかります。 同じ村の同じく村八分の家のおミツ、 花街で出会った盲目のあや子、 山中の石切り場で働く青雲海、 誘拐され物乞いを強要されている作次。 彼らの物語もまたすさまじい。 不幸な生い立ちに加え、不運な巡り合わせが 追い打ちをかけます。 しかも彼らはその不幸に懸命に抗い 一度は安寧を得ているにもかかわらず 因果は巡り巡ってきます。 それは鉄も同じこと。 過酷な人生から逃れられず、 巡り会った人とともに戦うしかない。 目の前に「人の形」をした敵はいるものの、 本当に戦っているのは、正体の見えない運命でしょう。 新人作家とは思えない絶妙な呼吸の文章で 苛烈に鉄や周囲の人びとを読者の心に刻んでいきます。 第6回(2011年)小説現代長編新人賞受賞作 *本書は出版社から見本をいただきました。 単行本は1/5に発売される予定です。 │<< 前日へ │翌日へ >> │一覧 │ 一番上に戻る │ |
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