副題「世間を騒がせたあの事故の“失敗”に学ぶ」とある。一読する。失敗の裏に隠れている原因は何なのか。どうすれば回避できたのか。回避できなかった理由は何なのか。報道の裏に隠されている事実があるのか。そこらへんを知りたい。
…ところが、残念ながら読者の知的好奇心を満たすレベルには至っていないと結論づける。新聞を丹念に読み疑問に思った案件があればネットで調べるタイプの人にとっては「そんなの分かり切っているじゃん」のオンパレード。
近頃大学生の卒論があまりにもチープになっていると聞く。曰くweb上の記事をコピペして一丁上がり。自分の主張とか分析とかというオリジナリティが皆無。思えば昨今出版された新書にも同レベルのものが散見される。集めてまとめて何かコメントつけて一丁上がり。…つまらない。
愚痴はここまでにして、この本のおすすめポイントはネタが新鮮なこと。私が気になったネタは「風力発電」がなぜメジャーにならないか。つくば市が5年前に大失敗した…らしい。早稲田大学が一枚からんでいるらしい。この記事を読んで検索したら確かに風力発電技術の困難さがわかる。
今の科学技術がどのように実用化されどのように頓挫しているのか、俯瞰するにもってこいの一冊である。深く知りたければ各自調べてくださいねという割り切りも感じられる。知的好奇心を刺激する入口の一冊である。

失敗の科学 ~世間を騒がせたあの事故の’’失敗’’に学ぶ
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サイエンス