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May 7, 2006
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カテゴリ:美術
出雲・厳島・伊勢・八坂祇園社と、歴史と伝統を誇る、文字通り日本を代表する神社を軸に、最先端の研究成果を分かりやすく、というコンセプトで紹介する企画展示。
「すごい」という話を聞いていましたが、いや、本当、素晴らしい展示でした。

常設をぐるっとまわって、ちょうど学芸員さんによる案内が始まるタイミング…って、すごい人出だな。
話を聞きながらも、皆が集まってないところを、こそこそ作品を見て回ります。
いや、こうしないと、この人数でぞろぞろ、なんてありえないですから。

=====
まずは出雲のコーナー。
銅鐸・銅剣・銅鏡…出雲の地になぜ神は舞い降りるのか。

出雲周辺の発掘調査結果を踏まえ、近隣の発掘品、勾玉や火熾しの道具などが展示されています。

圧巻は、出雲大社で発見された巨大柱の話。
出雲の時代にこの大きさだった、ということは…そんな神木クラスの木が柱に使われていた古代の出雲大社。

もちろん、柱の直径が分かったところで、高さが分かるわけではないのですが、これまでの風土記の記述とあわせて、日本で一番の巨大建築であったことの間接証明。

古代ロマンをかき立ててくれます。

[出雲大社]

-----
次に伊勢神宮の神宝が並べられています。

神宝は神に捧げられたものすべてをさすのではなく、神のための武具であったり、機織機であったり…うん?つまり、神自身が使う道具?この解釈で良いのかな?

それにしても美しい。
日本最高の神に捧げられる「無償の愛」は、当然のことながら、日本最高の技術の結晶。
その美しさは、すなわち神々しさと同義なのでしょう。

いやはや、眼福にあずかりました。

[伊勢神宮]

-----
厳島神社からは平家納経。
これまた、日本の誇る宝物の一つです。

目を瞠るほどに美しい巻紙に、たおやかな筆致で愚直に綴られた写経。
そこに込められた祈りの意味は何であったのか。

また、台風にやられても修復を続けてきたその熱意。
しかも、元の神域は、台風の被害を受けない立地がされているとの事。

また、島に墓を持たない意味。
千畳閣に掲げられた「絵馬」の面白さ。

横山大観先生の傑作『屈原』も出品されています。

[厳島神社]

-----
最後は京都から、八坂神社の祇園祭。
私はまだ行ったことがありませんが。

八坂神社の植生の変遷についての話は、興味深く面白いお話でした。
かっては神域といえど、人の手が入り、整備されることで保たれてきた植生が、どこぞからのお達しにより、手を触れることが禁じられ、そのため、植生が歪んでしまっている、というお話。

環境関係のお話をご存知の方は「里山」という単語が浮かんだかもしれません。
全く同じことが、神社の神域にも起こっているのです。

海外から渡ったタペストリーが、祇園の山車に飾られるダイナミズム。
山車の巨大な車軸の迫力。

[祇園祭]

=====
ふぅ。
何度も筆が滑りそうになりましたが、なんとか紹介し終えました。
神社については、宗教的というより、政治的な思惑が絡んでしまうため、本当の意味での総合研究は、まだ緒についたところなのだそうです。
だからこそ、そういった政治的主観性を排除した、客観研究は、この国の深層を考えていく上で重要で、それに正面から挑み、一般の人に分かりやすく展示して見せたこの企画は、本当に素晴らしい。

「これだけの宝物が一堂に会すことは、もうないでしょう。」と学芸員の先生が仰っていましたが、確かにその通りだと思います。
日本の神々は多岐にわたり、それぞれの由来も伝説も異説も背負っています。
これらを追う、という隘路に迷い込まず、この4つを選んだのは、正に「王道」。

この展覧会の企画趣旨がそこにある以上、今回は横道の議論は慎ませていただきます。

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個人的には、アニミズム的な日本の信仰、宗像信仰や白神信仰などにも興味があったのですが…これらは、なんと、常設展で(ある程度)カバーされていました。
この常設展のレベルの高さについても特筆すべきなのでしょうが、長くなるので一言だけ。

高校生の頃、「日本史」の授業に時々違和感を感じることがありました。
今思えば、それは、「綴られた歴史」から抜け落ちた、民俗学的視点を無意識に求めていたのだ、ということがよく分かります。
その渇望を癒してくれるに十分足る、「教科書」が教えない、「教科書が教えない歴史」が黙殺する「歴史」がここにあります。
本当は常設展だけで、1日ここで過ごしてもまだ足りないくらい。

-----
心残りは、図録が売り切れだったこと。
「増刷の予定はありませんか?」と聞いたら、「今のところありません」と答えられました。
うーむ。残念。

=====
日本の神々と祭り 神社とは何か?
- Japanese Shrines

国立歴史民俗博物館(千葉・佐倉)

[会期]2006.03/21(火)~05/07(日)

作者:-

★★★★★





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Last updated  May 29, 2006 12:23:21 AM
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mrtk@jp@ Re[1]:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) >そらねこさん コメントありがとうござ…
そらねこ@ Re:本と共に~「ぼくらはそれでも肉を食う」(06/19) はじめまして。本の題名につられてお邪魔…
浅葱斑@ 心のハレっていいですよね? こんにちは。 誕生日の暦から今の自分、未…
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