寒中お見舞い申し上げます
昨年3月に私の母が90歳でその生涯を閉じました。
その為、親しい友人、実家の幼馴染、親戚などには、年賀の挨拶を控えました。
その代わりに、寒中見舞いを出しました。
( さざんか咲く道: 水彩画 。by fujiko)
母は昨年の12月に介護付き住宅から、肋骨が折れたという理由で病院に入院。
3か月間、無意味な治療?を受け続け3月25日に亡くなりました。せめてこの3か月間は、
慣れ親しんだ自宅で静かに満ち足りて最期を過ごさせてあげたかった。
それが今も心残りです。
病院に入院した日、外は厳しい冬空の青に山茶花が満々と咲き切っていました。
そのときの気持ちをこめて、描いた山茶花。
わが足で独り起つ道 霜降りて
はらはらと散り 紅の山茶花
人は最期は独り逝く。
この孤独に耐え、毅然と最期を全うする。
この歌は、母の気持ちになって私が詠みました。
母の最期の孤独や悔しさ、
今なお私の心に疼きます。
余りにも長すぎる人生、
ハイスピードの社会の進み方、
その間に価値観は大きく変わり、
母は自分の価値観をすべて否定されたまま
半ば諦め、無念のなかで、
逝ったのではないか。
これは、高齢化した社会の高齢者たちが、
共通して抱える気持ちでもあるのではないか。
私の中には
そんな母の気持ちを想う私がおり、
私は、今なお苦しいのである。
その思いは、
私が残された人生のなかで、
私自身がどう生きるかによって、
答えをだしていくべき宿題でもあると、
最近は思い直して、
厳しく自己と闘い生きることを肝に銘じている。
押し寄せる老いに立ち向かうことは、
想像していた以上に厳しい。
ともすると、老いるに任せて、
怠けて安易に生きたがる自分がいる。
例年になく厳しい寒さの日々が続いております。
どうぞ、お身体をご自愛下さい。
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