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カテゴリ:旧(書籍TV映画)
一ヶ月ぶりの日記(「日」記じゃないって、それ...ToT)で
他に色々書きたい事もあるんですが、どうしても、うまくまとまらないので 今日は、今まで、この日記では書いた事の無い分野に入ろうと思います。 映画の(というよりDVDなんですが)感想文です。 それも、普通の映画じゃないっすよ。 あのヨン様、ペ・ヨンジュン(裴勇俊←字あってる?)の初出演映画です。 英国では、確か、半年くらい前には、既にアート系映画館(?)で公開され 好評を博していた「スキャンダル」という ラクロワの小説「危険な関係」の場をフランスの貴族社会から 李朝朝鮮時代の両班(ヤンバン)社会に移した映画です。 夫が上海でDVDを買って来たので、「白昼」一人で、見ました。 いや、なんで、わざわざ「白昼」ってことわり書きしたかというと これ、 「白昼」に見ちゃうと 「昼下がりの情事」とか「倦怠妻」とか (わかる人にしか、わからないキーワードですね..フォフォフォ) そういう方向に思わず行きそうな映画なんです。はい。 はっきり言って、友達と一緒に映画館で見る映画じゃないと思う。 そういう方面の話題も全然OKな友達と一緒でも見たくないな~っていうか かなり気恥ずかしくなるんじゃないかなっていうタイプの映画です。 あ、いや、もちろん、それだけじゃないというか そんな事はどうでも良くなる素晴らしい映画なんですが、 それは、後で述べますので、とりあえず、横に置いておいて... さてさて... 大昔、中学生になったばかりの頃、 確か14歳か15歳未満禁止(半端な年齢制限。どうやって決めてるんだろう)の 「エマニュエル夫人」を クラスメート達(男女こみ)と見に行った事があるんですが (映画の内容自体は覚えていない....) もし、中学生の頃に、この映画を友人達と観たら、どうだっただろうなぁ~~ 「わ~、すごいね~」と盛り上がったかもしれない...。 でも、この年になって 冬ソナで大人気を博している、あのヨン様(全く違った外見になってるけど)の 「微笑みの貴公子」とか、そよ風の様な爽やかなイメージを背景にして、 この映画を観ると かなり焦る描写が多い。 「えっ、ここまで見せていいのか?」みたいな....。 実際は、AVとかエロ雑誌と比べれば、どうってことない描写なんでしょうが (そもそも、目的自身が全然違う、全く異なる分野なんですが^^;) だって、いきなり、冒頭から おっぱいわし掴み...とかしてるんですよ。 あの、ヨン様が。 冬ソナでは、セックスのセの字も匂わせてなかった (第一話の途中までと第三話の後半と最終話しか見てないけど) あのヨン様が....。 おっぱいだけじゃないんですよ、 これも、 わかる人にしかわからない比較かもしれませんが 黄金時代の日活ロマンポルノより ず~~~~~っと煽情的描写がなだれ状態なんですよっ あのヨン様がっっっ!!!! 韓国の映画の「濡れ場(ベッドシーンより、この言葉がピッタリ)」って、 すんごく具体的・現実的なんですね。 でも、それが、却って 「健康的」に思えました。 こう、キムチしっかり食べて、楽しもう!!! みたいな...。 健康的で明るい性。 だって たくましい太腿を見せまくってるんです。 あのヨン様が~~~~~(しつこい?) 見せてるのは太腿だけじゃなくて体全体なんだけど 敢えて太腿と書いた理由は 映画を、ご覧になれば、おわかりでしょう。 具体的なんです、この太腿の描写が。 自分が陥れようとする清らかな未亡人からの手紙読みながら お妾さんにせっせと奉仕させ 「いたっ!!もっと軽くっ!」と叱る....なんて事してるんです。 (映画全編、こういうユーモア満載!) 上半身は服を着ているところが、非常に現実的なんですよね。 こう書いて行くと、 中学時代のエマニュエル夫人的な興味 (はっきり言ってその頃、宇野鴻一郎とかも読んでたんだけどね) だけで見ていた様に思われますが違いますよ~~~~っ! 何といっても あの「ヨン様」がねぇ~...って目で見てますから...(^^;) それほど驚いたという訳で... その驚きを克服し(というか楽しみ)ながら ぐんぐん最後まで目が離せないほど引き付けられる映画なんです、これは!! まず、何より、舞台設定が巧妙です。 フランス貴族社会の様に、宮廷・社交界でイチャイチャする様な機会が全く無い、 それどころか高貴な女性が家族以外の男性に会う機会の無い社会で 主人公達の設定は、どうするのかと思っていたら 原作では社交界の女王の如き侯爵夫人と多芸多才上流(&風流)貴族ですが この映画では、「いとこ」どうしになっています。 しかも、名字の同じ「堂」のいとこ関係。 日本語でも英語でも「いとこ」という言葉自身には父系・母系の区別が無いのですが 中国語では、父系のいとこは「堂」母系のいとこは「表」と言って 言葉の段階で、しっかり区別されます。 詳しくは、わからないのですが(ご教授願います~) 韓国語でも中国語の様に、「いとこ」「おじさん」「おばさん」という 大家族内の関係を表わす名称が 「父方」「母方」「年齢」等によって違うのではないでしょうか。 そして、「いとこ」どうしの結婚... 日本では可能ですが、中国では(そして韓国でも多分) 「堂」の「いとこ」関係での結婚は、有り得ないのです。 兄弟姉妹どうしで結婚するのと同様の感覚なのです。 つまり、この主人公達は、 父方のいとこどうしとして家族の一員として育ち 後に幼馴染から互いへの恋慕をつのらせて行くものの 倫理道徳的に決して結婚はできないという ロミオとジュリエットよりも桁はずれに悲恋的な関係にあるわけです。 で、「堂姐(=従姉・中国語の字幕による)」である女主人公(「趙」氏)は やはり両班である政府高官の夫に嫁ぎ、 「堂弟(従弟)」である男主人公チョウン(趙原←中国字幕訳)は、 「姐夫(義従兄・女主人公の夫・世継ぎの男の子を生ませるという大義名分で 16歳のお妾さんをめとる事が決まりホクホク状態)」に 「いつまで、そんな、やもめみたいな生活してるんだ?結婚しないのか?」 と急かされ、慎ましやかにも堂々と 「私の心の中には一人の女性しかおりませんもので....」 等と笑ってごまかしながら (ここで義従兄から、さらなるつっこみが入らないのは不思議) 独身を続け、家には、堂々と妾を囲い、それだけでは足りず あちこちで女性を誘惑し、やりまくり 多芸多才なんで、女性を陥落させる度に、それを絵にする (陥落させなくとも、その手の絵を描きまくってるんですが) ....という 「男の夢」の様な生活を実践している..... 非常に単純に申し上げると、こういう舞台設定なのです。 (一文が長くて、すみません。^^;) もちろん舞台設定や脚本や演技が超一流なだけじゃありません。 衣装も舞台も小道具も音楽も色彩も、細微にまで気がはらわれていて 静謐な美しさと鮮やかな艶やかさが溢れ、 これだけでも観る価値があったと全編、堪能させてくれます。 冒頭にも出てくるチョウンの描いた線画(結果的には春画)なんて オリエンタルで古典的な画法で、かつ、 私の好きなスウェーデンの画家Carl Larssonを彷彿とさせ こういう画集の本が出たら絶対買うんだけどな~ と、つくづく魅了させられました。 (コマ送りしながら、じっくり見るだけじゃ、ものたりない。) この映画は.. おそらく、ペ・ヨンジュンの代表作の一つになるんじゃないでしょうか? 濃いメークを落とした状態の方がずっと若いのが印象的だった 女主人公のイ・ミスク(李美淑)も、貫禄たっぷりゴージャスな 深い演技で(特に胸に突き刺さるラストシーンは秀逸!) 10年ぶりに映画出演した(らしい)甲斐が十二分にあったと思います。 (↑ラストシーンを見て初めて韓国映画「ベサメ・ムーチョ」の 主人公を演じた女優さんだと気付きました) 脇役も、細かく描写され、しっかりした演技で引き締められています。 ただ、韓国語や韓国の歴史・文化が理解らないと 80%も理解できない映画だな~とも痛感しました。 もちろん、十分、楽しめるんですよ、それでも。 つまり 韓国語や韓国の歴史・文化を学習してから また見てみたいな~と思わせる力を持った映画だったのです。 (個人的には、李朝時代の本屋さんの登場が非常に嬉しかったです。) ま、何と言っても... 同じ小説を映画化したアメリカ版「危険な関係」の 数億倍は納得できました。 好みの問題もあると思うんですが アメリカ版(もう10数年以上前に公開されたはず)の方は 主人公の外見だけで、冷めちゃってね~~。 何しろ、グレン・クローズと、ジョン・マルコヴィッチなんだもん...。 (名前、あってるだろうか?) こういうのは、やっぱり、美男美女がやらないとねぇ...。 ヨン様の外見については、色々な説がある様ですが この映画・この時代背景で 納得しました。 美男だよ、この人、やっぱり。 「色男」という言葉がぴったり。 日本のちょんまげとかも、似合いそう。 体格もいいし (冬ソナの時は女優さんの背が非常に高かったので全く目立ってなかったが) 運動神経も良さそうだし 時代劇の武将役とか貴族役がぴったりです。 声も素敵です。 実は、私が、冬ソナを中国版VCDで持っているのに 未だに全編観れていないのは それが残念な事に中国語の吹き替えのみで その違和感が、あまりにも大きく とても観れたもんじゃないからなのです。 やっぱり韓国ドラマ・映画は 韓国の俳優さん達の、あの、体の芯から出た、深みのある しっとりとした声じゃなくちゃ~(ToT) ともかく ヨン様効果で、食傷気味になっている方 韓国映画に興味の無い方にも おすすめ!!!!! 是非、どうぞ!! あ、それから、 映画館でご覧になる方は(まだ映画館で公開されてるんだろうか?) 最後の最後に、相玉という16歳のお妾さんのその後が出てくるので トイレに行きたくなっても我慢して 幕が閉まるまでしっかり見てくださいね。 しかし、この映画、映画館で観たら、また、すごい迫力だっただろうな~。 やっぱり、映画って、映画館の大画面で観るべきものなんだと あらためて思います。 DVDの登場で、映画文化も、大きく影響を受けていくんでしょうが DVDじゃ、銀幕じゃないよね.....とほほほ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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