どうしたもんじゃろのー
毎年12月に発表される「新語・流行語大賞」には、よく「朝ドラ」ネタが登場する。過去には「あまちゃん」で一世を風靡した「じぇじぇじぇ」が大賞を受賞したし、今年の候補には「あさが来た」で使われた「びっくりぽん」がノミネートされていた。ただ個人的には、流行とかを度外視すれば、「とと姉ちゃん」で使われていた「どうしたもんじゃろの~」というのが好きだ。主人公が困難にぶち当たった時によく発するのが、この「どうしたもんじゃろの~」だ。この言葉の響きからは、もしかすると「厭世的」もしくは「投げやり」なニュアンスをくみ取る方もいるかもしれない。確かに周りがあたふたしているシーンでこのセリフが出るのは、余りにも緊張感が無い。しかし私は、このちょっとガスの抜けたような「緊張感の無さ」が好きなのだ。困難にぶち当たった時、人はどうしたって慌てる。ご多分に漏れず、私もそうだ。ただそういう時、この「どうしたもんじゃろの~」を口にすることで、何となく一息つける気がするのだ。それはひいては、困難な問題をあえて俯瞰し、視点を変えることで、より良い解決策を探るキッカケにもなり得ると思うのだ。ただでさえ殺伐とした今の世の中、これくらいとぼける余裕があった方がいいだろう。