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2015年07月14日
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カテゴリ:気憶・思い出




  先日、おねだり苦手、甘え下手な性格のことを書いた。

7月11日の日記


今の私は、物欲は強くない人間だと思う。

だが、幼い頃は、物に対する執着心の強さを

持ち合わせていた、と思われるエピソードがある。


小学校、1~2年の頃の話。

養母の実家の母親(母も養女だったので、継母だが)、

つまり私の義理の祖母が、息子夫婦と喧嘩して、

我が家にしばらく居留した事があった。


この祖母の家には、私と同じ年頃の姉妹がいたので、

夏休みには、必ず泊りがけで遊びに行っていた。

祖母は、昔、小料理屋(一杯飲み屋)を営んでいたことがあり、

その道の人らしい雰囲気の人だった。

気性が強く、物言いにもそれが出ていたので、

私は、怖くて近づけなかった。


その祖母が、私に、欲しい物を買ってあげると言った。

それまで、飴玉の1個すら、買ってもらったことが

なかったから、とても驚いた。


近所の駄菓子屋さんへ、祖母と母と連れ立って行った。

そして、着せ替え人形と塗り絵を買ってもらった。

着せ替え人形と言っても、厚紙に描かれたカラフルな絵の人形や

洋服などを、切り取り、いろいろな服を着せ替えて遊ぶのである。



 

私は、買ってもらったものを大事に抱え、

これから訪れるだろう素敵な時間に

胸をわくわくさせていた。

そうして、帰り着くなり、袋から取り出して、

かわいい人形や、きれいな服の絵に、しばらく見惚れていた。


「ちょっと、見せてごらん」・・・祖母の言葉に、どきりとした。

大切なものを胸に抱き寄せて、

わたしは、瞬時に固まってしまった。


そばにいた母が、「ばあちゃんが見たいってよ。」

「・・・・・・・・・・・」

「ちょっとぐらい、いいじゃないの。ほら、貸してごらん。」


いま、渡してしまったら、きっと、もう戻ってこない。

・・・・・そう、強く思った。


「いや!、 いやだ!!

思わず、激しい声で叫んでいた。

見る見るうちに涙が溢れ、すぐに嗚咽となり、

私の泣き声は止まらなくなってしまった。


そんな私の姿を、母も祖母も、呆然とみていた。

結局、何ひとつして、さわらせなかった。


これが、義祖母との唯一の思い出である。


こんな依怙地な子供だったから、

私は、まわりの大人に可愛がられることはなかった。





  

 

 

 




 


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Last updated  2015年07月14日 23時37分13秒
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