|
カテゴリ:中央線高架化と駅前再開発
以前にも一度書きましたが、現在行われている中央線高架化の工事は複々線化の工事ではありません。 南北の分断を解消し、開かずの踏切をなくすことが主な目的です。 では三鷹立川間の複々線化はどうなっているのかと言いますと、これは大深度地下に線路を造る計画になっています。 以前、三鷹国分寺間の下り線を効果に切り替えるときに東京都が出した資料の中に、複々線の計画も書いてありました。 http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2007/04/DATA/20h4i401.pdf この資料の「縦断図」の方を見てください。 地下に点線が書いてありますが、これが複々線の計画です。 これを見ておわかりの通り、三鷹から地下に潜って、国分寺まで地上に出てきません。 http://www.city.koganei.lg.jp/kakuka/toshikensetsubu/keikakuka/info/renzokurittaikousa/ohdan_kakudai_03.html この図の通り、地下に駅をつくることはありませんから、武蔵境・東小金井・武蔵小金井には停まらないということになります。 地下に中央特快と特急が走って、高架に現在の快速が走るというわけではなく、高架には各駅停車が走ると考えるのが一般的のようです。 当然、現在の快速の停車駅は変更されることになると思います。 現在の通勤快速の停車駅が、複々線化後の快速の停車駅になるのかもしれません。 そうなると、武蔵境に停まるのは黄色い総武線だけで、オレンジ色の車輌を見ることはなくなるのかも。 複々線化すれば朝の通勤ラッシュは緩和されるでしょうが、武蔵境の利便性は低下する可能性がありますね。 また、武蔵境の資産価値も低下するかもしれません。 当初は2014年3月までに複々線化を完成させる計画もあったようですが、国分寺立川間の高架化が完成するのが2011年ですので、現状ではそれはまず考えられません。 おそらく、できるとしても10年は先の話になると思います。 複々線にするか否かの判断は、20年後・30年後の多摩圏の実態を予測する必要があります。 これからは少子高齢化により、鉄道を利用する年齢層の人口は間違いなく減少してきますし、都心部の土地があまってくれば、都心回帰で多摩地区の人口が減ってくる可能性もあります。 通信技術の発展によって、わざわざ会社に出勤して仕事をするというスタイルも減ってくるかもしれません。 会社も合理化のため自宅勤務の形態は増やしていくでしょう。 また、運行技術の進歩などによって、より運行間隔を短くして、安全に列車を増発することが可能になるかもしれません。 いろいろ考えてみると、中央線の複々線化がそれほど必要とは思えません。 また、高架化の場合は、踏切の解消により道路の渋滞を緩和するという目的があるので、事業費の多くはガソリン税や自動車重量税などの道路特定財源から捻出されますが、複々線化の場合は輸送力を増強するのが目的ですので、JRも相当な負担を強いられることになります。 JR側にしてみれば、そこまでして中央線を複々線化したいとは思わないでしょう。 最終的には政治的な力なども作用するのかもしれません。 ちなみに、三鷹立川間の複々線化とは別に、東京三鷹間にも大深度地下の線路を造る計画があります。 これによって京葉線を三鷹まで延伸することになっています。 これも実現するかどうかはわかりません。 さらに、リニア中央新幹線構想というのもあります。こちらは更に先の話になりそうです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[中央線高架化と駅前再開発] カテゴリの最新記事
|