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2004/09/22
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ショパンがどんな条件で弟子を選び、どのようなレッスンをしたか。「ショパンの遺産」という本を参考にメモ代わりにまとめてみた。

◆弟子の採用条件:
ショパンは、18年間ピアノ教授の仕事を続けたが、その間生徒不足に悩むことはなく、かえって希望者の多いことに不平を言うほどだった。
ショパンの弟子は完璧に2つのタイプに分かれていた。
第1は、ほんとうに才能のある弟子。
第2は、大して才能はないが金持ちの伯爵夫人、または自分にとって利益となる社交界の淑女。(こちらの方が多かったようだ)

生徒の才能をはかる最上の方法として、ショパンは生徒の耳をテストすることを上げている。生徒がたった一度聴いただけでその節を間違いなく歌えたら、その生徒は採ってよいと語っている。

また、癖を直すのにムダな時間が必要になるから、新しい生徒はあまり多くを知っていない方が望ましい、とも言っている。

◆レッスン時間:
レッスンは週2回以上は決してしなかった。各レッスンは45分。
ただし、後にレッスンが入っていない時には、数時間に及ぶ場合もあったが、これはほんとうに才能がある弟子に限られていた。

◆レッスン室:
レッスンは基本的にはショパンの家の専用の部屋で行われた。
部屋には2台のピアノがあって、プレイエル(フランスのピアノメーカー)のコンサートグランドは弟子に、小さなアップライトのプレイエルはショパンが弾いた。ショパンは、弟子が貧弱なピアノを弾くことを禁じたという。

◆レッスン料:
生徒はショパンが窓の外を見ているときに暖炉の上にそっと20から30フランを置いた。直接現金を受け取るような下品なことを、ショパンはしなかったとされる。ちなみに当時のオペラのチケットが12フラン程度だから、1回のレッスンで30フランはショパンなら妥当な額か? 日本でも有名なピアニストのレッスンっていくらくらいするんでしょう?

◆レッスン課題:
技術的な水準の如何にかかわらず、生徒は指の練習をさせられ、クレメティのプレリュードとエチュードと併用してクラーマーのエチュードを勉強させられた。
自作の他、フィールドのノクターン、モーツァルト、ヘンデル、ベートーヴェン、スカルラッティ、シューベルト、メンデルゾーンの曲を弟子に課した。しかし、リストとシューマンは決して与えなかったという。基本的にショパンはリストもシューマンも嫌いだったようだ。また弟子がショパン自身の曲を弾くことも余り好まなかったという。

ショパンがピアニストにとって最高の課程としたのは、バッハの「プレリュードとフーガ」で、弟子たちに毎日弾くように指示したという。

「(平均律クラヴィア曲集)は最高にして最上の課程。これ以上の理想的な課程は誰も創れるものはない。バッハをおいて真のピアニストはいない。バッハを尊敬せぬピアニストは俗人でいんちきである」
とまで、ショパンは言い切っている。
ショパンがバッハのプレリュードをよりピアノ的に発展させようとして24の前奏曲を作曲したのは有名な話。

◆レッスン風景:
ショパンは、弟子のために模範演奏をしなかった。友人に宛てた手紙にも「私は弟子のために決して弾いてやらない」とはっきり書かれている。

できの良い生徒とのレッスンは機嫌が良くおしゃべりをしたりするが、できが悪いと途端に怒り爆発、楽譜や折れた鉛筆が飛んでることがよくあったという。この被害にあうのは、大抵伯爵夫人や令嬢だったらしい。何となく気持ちはわかるが、だったらそんな弟子を取るなと、つっこみを入れたい。

才能のある生徒には何時間も根気よくレッスンし、弾けるようになるまで同じ箇所を50回も繰り返させた。
しかし、ショパンは自分の弟子が何時間も続けて練習する習慣だと知ると、「練習とは集中力と意識をもって行うもので、1日3時間も練習すれば充分だ」と生徒に忠告したという。

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私見ながら、ピアノ教師としてのショパンはあまりいい先生とは言えそうもない。実際、同時代のリストの弟子からたくさんの有名なピアニストが誕生しているのに、ショパンの弟子にはそういう人物はほとんど見あたらない。
しかし、仮にショパンの公開レッスンをいまの日本で開こうものなら、いくら払ってでも受けたいという学生が殺到するだろうなあ‥。

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Last updated  2004/09/22 06:58:59 PM
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