テーマ:試写会で観た映画の感想(678)
カテゴリ:映画鑑賞記録
"NORTH COUNTRY"
監督・・・ニキ・カーロ 原作・・・クララ・ビンガム、ローラ・リーディ「集団訴訟」 出演・・・シャーリーズ・セロン、エル・ピーターソン、トーマス・カーティス、フランシス・マクドーマンド、ショーン・ビーン、ウディ・ハレルソン、ジェレミー・レナー、リチャード・ジェンキンス、シシー・スペイセク、他。 ・物語序盤・ 夫の暴力に耐えかねたジョージー・エイムズは、二人の子供と共に家を飛び出して、実家に戻ってきた。 しかし父親の態度は冷淡だった。 暫くして地元の友人に会ったジョージーは、彼女に誘われ炭鉱で働くようになる。 しかしそこは男の職場。 会社も従業員も、女性労働者を歓迎していなかった。 金は多く稼げるものの、毎日男性の同僚達から執拗なセクハラを受け、ジョージーは追い詰められてゆく。 憤懣やる方ないジョージーは、会社上部に上訴に出るが…。 現実にあったセクハラの集団訴訟を題材にして作られた映画です。 非常にシリアスで重厚な作りで、見応えがありました。 観終わった後、結構ずしっと来るので、軽い気持ちでは観られません。 と言っても、正視できないようなシーンはありませんが。 まだ炭鉱などの肉体労働が男だけの職場だった頃の話です。 今ではこういう職場で女性を見掛ける事も多くなりましたが、そのパイオニア達の苦労を思うと頭が下がる思いでした。 何故、人間はマイノリティーを迫害するのでしょうね? ただ他の労働者と同じように、働きたいと思っているだけなのに、あからさまな嫌がらせをしてくる同僚達。 悲しい事ですが、迫害・差別の歴史は、人間の歴史なのですよね。 人種差別、性差別、国籍差別…。 相手を自分と対等の人間だと思えない人間の心理って何なのでしょう? みんな、同じ人間なのにね。 誰が来たって、両手を広げて受け入れてあげれば良いじゃないですか。 平然と相手を集団で踏み躙って楽しんでいる人々を見ていると、その思考回路がとても悲しく感じました。 この映画の主人公の場合、父親までも彼女の迫害者である事がつらいんですよね。 娘をアバズレと見下して、失望している父親。 彼女が自分と同じ職場で働き始めた事で、余計に親子の溝は深まります。 この親子の確執が大きいだけに、ラストでの感動はひとしおです。 現実的に考えると、そんなに甘くないよ、と思ったりもするのですが、この映画では救いが欲しかったので、報われた気分になれました。 これは決して過去の話ではないと思います。 今現在でも、差別は色々な形で私達を圧迫しています。 それを改めて認識させてくれる作品でした。 シャーリーズ・セロンが今作でもまた、体当たりの演技を見せています。 なかなかの力作だったと思います。 ↑ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Dec 24, 2005 12:24:47 AM
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