テーマ:映画館で観た映画(8346)
カテゴリ:映画鑑賞記録
"THE WICKER MAN"
監督、脚本・・・ニール・ラビュート (オリジナル脚本: アンソニー・シェイファー) 出演・・・ニコラス・ケイジ、エレン・バースティン、ケイト・ビーハン、フランセス・コンロイ、モリー・パーカー、リーリー・ソビエスキー、ダイアン・デラーノ、エリカ=シェイ・ゲイアー、エミリー・ホームズ、アーロン・エッカート、他。 ・物語序盤・ 白バイ警官のエドワード・メイラスは、ある日、母子と思しき二人の乗った、走行中の車が落とした人形を拾い、車を止めて少女に手渡す。 しかし反抗的な少女は、人形を再び放り出した。 仕方なく人形を拾いに行ったエドワードのすぐ脇で、母子の乗用車にトラックが激突。 2人を救出しようと、必死で後部ガラスを割るエドワードだが、努力も空しく、乗用車は爆発炎上し、エドワードは爆風に飛ばされて意識を失った。 そのショックから、暫く休暇を取る事にしたエドワードの元へ、手紙が届けられた。 それは8年前に突然失踪した婚約者ウィローからのもので、彼女の故郷サマーズアイル島で、娘ローワンが失踪したので助けてほしいという内容だった。 エドワードは電話すらも通じていない、外界から孤立した私有地であるサマーズアイル島へと向かった。 手紙に同封された写真を携え、早速島の者達に、聞き込み調査を始めたエドワードだが、閉鎖的な島民の反応は冷ややかで、誰も彼の質問に正直に答える者は居なかった。 島はシスター・サマーズアイルを頂点とした、女性優位の共同体。 島民の監視の目を逃れて、久し振りに再会したウィローは、エドワードに誰も信じてはいけないと忠告する。 ローワンは実在し、島の何処かに監禁されている筈だと言うウィローは、ローワンがエドワードとの間に出来た娘である事を告白した。 1973年に公開された同名のイギリス・カルト映画をリメイクした作品です。 カルト・ムービーとして名高いオリジナルより、かなり修正されて、万人受けするスリラー映画となっておりました。 その分、インパクトは弱まったかな。 wickerは小枝・柳の枝という意味で、wicker manとは、木の枝で作られた巨大な人形。 これがお話の最もインパクトのある部分を象徴する存在です。 アメリカでは、ラズベリー賞の候補に上がる位、評価が低かったのですね。 その煽りで、日本では劇場公開も東西二大都市+千葉のみという気の毒な結果に…。 でも私は普通に楽しめましたよ。 オリジナルが、カルト・ムービーとして高名過ぎるのが原因なのでしょう。 ただやはり、島民の逝っちゃってる感というのが、今作では余り感じられず、謎めいているけれど、閉鎖的な人達なのかな、という程度で纏まってしまっていたのは残念ですね。 徹底した、アンチ・キリストの世界なんですよね、オリジナルは。 島独特の宗教があって、その閉鎖社会に飛び込んでしまった、敬虔なクリスチャンの悲劇というのがテーマだったので、島の不気味さが弱まったのは勿体無い。 特に盛り上がりもなく、退屈で変な映画…と思っていたら、最後のカタストロフィーへと繋がる、あの凄さが無かった。 でも娯楽映画として観るなら、こっちの方が、敷居が低いと思います。 子供が行方不明になったというのに、誰も彼女の存在すら知らないと言う。 だが随所で娘の手懸かりが見付かり、島民がグルになって、自分を騙そうとしているのが判る。 島を統括するシスター・サマーズアイルを頂点に、島は女達に支配され、男達は黙々と力仕事に精を出すが、言葉すら発しない。 一体、この島はどうなっているのか? 主人公の目線で、異様な島を探検する感覚を味わえます。 主人公の結末は、オリジナルと同じです。 ただ、このシーンもえも知れぬ気味の悪さで比較すると、オリジナルには到底及びませんでした。 信じるものが全く異なり、崇拝するものも違う人々にとって、自分達の行為は当然で正統なもの。 それは現代でも当たり前の事ですよね。 住む地域や宗教によって、価値観は全く違う。 そこへ国家権力を振り翳して、クリスチャンである自分が正しく、お前達は野蛮で無知だと、人々を抑圧しようとするのは、完全なエゴです。 今回の映画には、スリラーらしく、主人公の最期の後にも、オチに当たる部分が用意されています。 前作ではクリストファー・リーが島民の指導者を怪演していましたが、今作ではエレン・バースティンがそれに当たる存在です。 でも全体的に綺麗に纏まってしまったのは、見易いけれど残念な面もありますね。 一般の人が今から観るのなら、こちらを観る方が、普通に楽しめる映画だとは思います。 ↑ランキング参加中。ぷちっとクリックして下さると嬉しいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Oct 16, 2007 10:32:32 PM
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