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冬の能登紀行 その5

冬の能登紀行 その5


夜の間、けっこう吹雪いたようだ。
目が覚めて外を見てみると、雪はやんでいたが、道は真っ白。
タイヤの跡はそれほどついてないので、
夜のうち、ほとんど車が通っていないのだろう。
確かに、ここより奥といえば、もう能登半島の最果てとなる。
空は黒い雲に覆われて、海の色も青黒く、波の白さが目立つ。
あいかわらず、岩場に波が砕け散っている。
しばらく目の前の岩場を見ていたら、岩の間に泡が立っているのが見えた。
「波の花」だ。
波に揺れながら、あわ立ち、その泡が風に吹かれて舞い上がる。
この窓のあたりまで飛んでくるものもある。

朝食の後、ノエルを連れて海岸に出てみた。

旅館の前の道を横切り、防波堤の途切れたところに
海岸へ降りる階段があった。
でも、その下は道もなければ、砂浜もない。
足もとは、大きな岩や、ごろごろの石。
とても歩きにくい。
こわごわゆっくり歩いている私の横を、
ノエルはこともなげに、ちょんちょんと歩いていく。

苦労して、なんとか波の花の前までたどりついた。

今回どうしても見てみたかった波の花。
1月、2月の最も寒い時期、
輪島あたりから、狼煙(のろし)というところあたりまででしか
見ることができないという。



人気のない岩場、打ち寄せる荒波、
重く垂れ込めた雲、岩場に漂う波の花・・・。
ふと、松本清張の「ゼロの焦点」を思い出した。



さらに近づき、目の高さを低くして見ると、
波が覆いかぶさってきそうなほどだ。
なんだか怖くなってきた。



打ち砕ける波の音にも怖がらないノエル。
ノエルが乗っかってるこの岩もそうだけど、
この海岸にある石や岩は、
このような緑色をしたものが多い。
いったい、何ていう石なんだろう?



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