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カテゴリ:□スキー
鳩待峠に午前9時の待ち合わせだったが既に駐車場は満杯。しかたなく1キロほど手前の路上に駐車。
ゲートが開く初日であったためか大勢の人でにぎわっている。 山スキー、スノーボード、山歩きと装備も様々。旅行社主催の団体様もいる。 目指すは至仏山である。 出発地点からみると小至仏、至仏とつらなる山容はたおやかである。バックの青空に白い山が映える。 快晴の中の歩きはすぐに暑くなる。 同行のH氏はすでにアロハシャツであるし、M氏もネルシャツを脱いで半袖になった。 私は暑いが日焼けしたくないため長袖のまま歩く。休憩のたびに顔には日焼け止めクリームを塗る。20年前であれば私も半袖で日焼けなど気にもしていなかったのだが、中年になるとやはり後の始末を考えてしまうのだ。 思ったよりも山頂は遠かった。 というより己の体力が年相応になっただけのことであるが、それにしてもスキーが重く感じる。 スノーボードを担いだ若者たちに抜かされる。 健脚の中年山スキーヤーにも抜かされる。 ようやくたどり着いた山頂で景色を堪能。仏に至る山とは何ぞやと思っていたが、眼下に広がる尾瀬ヶ原、その向こうにそびえる燧ケ岳。振り返れば越後の山々が連なっている。 風の音しかないそこから見る景色は何ともいえぬ安らぎがある。 山頂より尾瀬ヶ原方向へスキーで滑り降りる。 先頭はベテランのM氏。いつも華麗である。しかも今回はステップの板に革靴(驚愕)。 次はアウトドアライターH氏。細身の体でかっこよくターンを決めている。 最後はド下手な私。 下手でも緩やかで広々とした斜面のお陰で気分は山スキーヤーである。 気分は最高である。 山頂まで息も絶え絶えに歩いたことなどすっかり忘れている。 バックカントリースキーの世界ではちょっとした有名人であるM氏と、アウトドアライターのH氏はあちこちで声をかけられている。 この日は山小屋に一泊。風呂付であった。 翌日は尾瀬ヶ原を竜宮まで歩き、そこからあやめ平を経由して鳩待峠を目指す。 尾瀬ヶ原は静寂そのもの。 ひばりの声が時折響く。そして快晴。 あやめ平までの登りはなかなか手ごわかった。 先日の筋肉痛もあり一歩が重い。泣いても助けてくれるものはおらず、歩くほかはない。 無心に一歩一歩足を前へ出す。 午後3時過ぎた頃から雨が降り出す。そこからは下り。 スキーが滑ってくれるという当たり前のことが有難く感じる。楽だ。 緩やかな樹林帯を抜けると鳩待峠であった。 10時間の行程であった。 テレマークスキーヤーが思いのほか多く、見知らぬ人たちに声をかけられた。 「あっ、革靴ですね」とプラスチックのスキー靴の人に言われる。 「ええ、これしか持っていないのです」 歩きが多かったので革靴が最適だっただろうと想像する。 なにしろこれしかないので比較のしようがないのだが。 楽しい山行であった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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