366738 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

Black Swan/メディア情報の歪みを正す

Black Swan/メディア情報の歪みを正す

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Nov 29, 2011
XML
地上の楽園グローバリズムの終焉でしょうか。
TPPだFTAだの幻想はもうやめましょう、自国経済は自国でまかなうのが原則でしょう。足りない分を補うのが貿易の原点でしょうが!

---------------------------------------------------------
《ワンクリック情報拡散ご協力お願いします》
人気ブログランキングへ
ソース:「ブルームバーグ」
URL:

【コラム】ユーロの終わりがやってくる-Pブーン、Sジョンソン

11月28日(ブルームバーグ):投資家は先週、欧州の政治家に厳しいメッセージを突きつけた。ドイツの10年債入札で3分の1以上が売れ残ったのだ。メッセージは明らかだ。ドイツに逃げ込むのはもはや安全ではない。

  2008年に世界を飲み込んだ金融危機以来、投資家は信用リスクに注目しドイツ債を購入。ドイツ財政は健全との評価から、同国は低金利を謳歌してきた。しかし市場の焦点は通貨リスクに移った。インフレ率は上昇、ユーロは崩壊しユーロ建てのあらゆる債務を投資家が疑問視するに至るかもしれない。

  なぜならば、2008年まで投資家はユーロ圏のソブリン債と銀行債のリスクがゼロで、決してデフォルト(債務不履行)しないと考えていた。このため、欧州の銀行は欧州中央銀行(ECB)からの低コストの資金を調達し、国債を購入すれば確実に利ざやを稼げた。

  しかし世界中で与信環境が引き締まり、問題が顕在化した。ギリシャは過剰債務を抱え、アイルランドでは借り入れにあおられた住宅バブルが崩壊。ドイツの銀行ですらレバレッジを高めていることが分かった。投資家は当然、信用リスクに見合う上乗せ利回り(プレミアム)が必要だと考え、利回りが上昇した。

  ギリシャとアイルランド、ポルトガル、スペイン、そしてイタリアは巨額の短期債務を低金利で借り換えられない事態に直面した。欧州の大手銀も状況は同じだ。これらの国も銀行も、合理的なリスクプレミアムを払えば現在の規模の債務負担に長くは耐えられない。

           思い込み

  欧州の政治家の多くや国際通貨基金(IMF)当局者、そして頼みの綱のテクノクラート政権を率いるイタリアのモンティ首相はギリシャのパパデモス首相は、このリスクプレミアムを素早く低下させることが可能だと信じ込んでいる。財政赤字を削減し構造改革を進め、銀行にそこそこの資本を注入すれば、再び市場での調達が可能になると思っている。しかし実は、これらの国が近いうちに資本市場で資金調達できると考えるのは現実的でない。

  例えば、アイルランドは国民総生産(GNP)の133%の債務と、銀行システムに絡むさらに約100%の偶発的ライアビリティを抱える。これほどの債務負担を抱える国は、仮に年間デフォルト(債務不履行)リスクが5-10%だと市場に納得させたとしても、実質金利が高止まりし、投資不足と銀行の脆弱性が何十年も続くことになるだろう。

  そこでフランスは米国や英国とともに、ECBの支援に期待する。ECBがすべてのソブリン債と銀行債を支えると約束することを政治家たちは「バズーカ」を持ち出すと呼び、待ち望んでいる。

        ドイツが最も恐れるシナリオ

  いかなる通貨でも、構造問題を覆い隠すために大量に増刷されれば、その通貨への信頼は失われる。ECBによる大量の国債購入は信用リスクを低減するが、ユーロの為替相場下落のリスクを高める。さらにいったんECBが国債購入に乗り出せば、高債務国は財政調整の努力を放棄するため、ECBは赤字を埋めデフォルト(債務不履行)を防ぐために国債を買い続けることになりかねない。そうなれば賃金と物価は1970年代の米国でのように上昇するだろう。これはドイツが最も恐れるシナリオだ。

  投資家は長期的なインフレに備えて、ドイツ債を売り始めるだろう。イタリアやスペインのように信用リスクの高い国の債券の投資家は、ECBがいつか国債購入をやめる日に備え、保有国債をECBに売るか、満期時に換金するだろう。ECBの「バズーカ」が高債務国の競争力を回復させるわけではないので、厳しい緊縮策と抜本的な財政改革の必要性はなくならない。

  ドイツの利回りは上昇し、大半の銀行と周辺国はECBの資金に依存し、信用・為替の両リスクプレミアムはなくならない。市場は最終的に、きっぱりと欧州に背を向け、実現可能な解決策もない中でシステム全体が崩壊、インフレと債務再編の嵐が吹き荒れるだろう。

        「バズーカ」を拒否すれば

  ドイツの信用力に問題はないが、問題を抱え近いうちに価値が大幅下落する公算の大きい通貨でその債券は発行されている。一方、ドイツが「バズーカ」を拒否して欧州の財政負担を、例えばユーロ共同債のような形で負担した場合は、為替リスクは低下するがドイツの信用格付けはリスクにさらされる。

  通貨切り下げは成長に寄与するが、これに伴うインフレは多くの国民を苦しめ、債務再編は扱いを間違えば大混乱を引き起こし得る。幾つかの国はユーロ圏を離脱せざるを得ないだろう。痛みのない解決策はない。

  最終的に欧州に共通通貨圏は残るかもしれないが、より数少ないメンバー国で構成され、財政統合のより進んだものになるだろう。ドイツが弱いメンバーをユーロ圏から追い出すか、あるいはドイツを中心に何カ国かがユーロを離れて自分たちの通貨を作るかもしれない。ユーロ圏は将来再び拡大できるかもしれないが、それは政治・経済・財政の統合がもっと進んでからだ。

  悲劇が待ち構えている。欧州の政治家は恐らく、市場が大混乱をもたらし行動を迫るまで微動だにしないだろう。無秩序が混沌へとエスカレートしないよう、政治家が密かに準備していることを祈ろう。(ピーター・ブーン、サイモン・ジョンソン)

(ピーター・ブーン氏はサリュート・キャピタル・マネジメント社長でピーターソン国際経済研究所の非常勤上級研究員でロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの上級客員研究員です。サイモン・ジョンソン氏はMITスローン・スクール・オブ・マネジメントの教授でピーターソン国際経済研究所の上級研究員、ブルームバーグ・ビューのコラムニストです。このコラムの内容は両氏自身の見解です)

更新日時: 2011/11/29 04:10 JST






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  Nov 29, 2011 03:51:51 PM
[ヨーロッパの政治・経済] カテゴリの最新記事


Recent Posts

Category

世界の政治・経済

(60)

アメリカの政治・経済

(9)

ヨーロッパの政治・経済

(13)

アジアの政治・経済

(161)

国内の政治・経済

(370)

日本の時事ネタ

(197)

海外の時事ネタ

(198)

-----------------

(0)

投資の心得「ウイリアム・ギャンの28のルール」

(0)

投資の心得など並べてみました

(0)

外国為替(FX)関連情報

(0)

コーヒーブレイク

(1)

Freepage List

Favorite Blog

まだ登録されていません

© Rakuten Group, Inc.