雪降る街
深々と雪が降る真夜中2時 外はひっそりと静まり返り 聞こえるのはストーブの音だけ 私は南国育ちのせいか どうやら雪には縁がないようだ 生まれて初めて積もる雪を見たのは 18歳の修学旅行 嬉しさと珍しさで喜んだものだそんな私には雪国の生活など考えも出来ない しかしながら、今こうして 雪の降る街に住んでいるのだから 人生とは分からないものだ 空から降る雪は ひらひらと手のひらにのると その温度で融けてしまうのに 地に落ちた雪は降り積もり しばらく融ける事はない最後に見た印象に残る雪は 6月のミゾレ交じりの吹雪の中 誰も居ない外を公衆電話に走り 真っ黒の闇の中 公衆電話boxから見た雪かな… 「帰国します」と告げたあの日 帰国前の淡い思い出