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カテゴリ:教会
今日は、愛和病院の緩和ケア病棟のヌーンサービス(礼拝)でお話をしました。
前回は、音楽礼拝ということでオルガンの奏楽をして讃美歌を数曲歌う礼拝の奉仕でしたが、今回は、言葉によるもの。なにかいいネタないかなぁ、と探していましたら、讃美歌作家で、合唱指導などでも活躍しているT先生について読んだところからヒントを得ました。 礼拝のときの讃美歌はその方のつくった最もポピュラーな曲を歌おうかな、と思っていましたが、すでに礼拝の讃美歌はホスピスのチャプレンが選ばれていたということでした。そこで、自分で説教中に歌おうと思いましたが、アカペラでするのも芸がないので、ギターで、とも考えましたが、連れ合いが数年前に買っていたウクレレがあったので、それを使いました。昨日から、練習して歌えるようになりましたが(本番では今ひとつでしたが)、はじめてウクレレを持って説教をしました。チャン!ってならしてから話し始め、歌を歌ってからはウクレレの出番はありませんでしたが、ウクレレは手軽でいいですね。(あ~あ~、やんなっちゃった、あ~あ~ 驚いた!なんて出来ませんでしたがね。・・・すごい古いですが...。) ちなみに、説教題は 「雨も雪も神の使い」という題で 聖書箇所はイザヤ書55章8~12節を読みました。 <<わたしの思いは、あなたたちの思いと異なり、わたしの道はあなたたちの道と異なると、主は言われる。天が地を高く超えているように、わたしの道は、あなたたちの道を、わたしの思いは、あなたたちの思いを、高く超えている。雨も雪も、ひとたび天から降れば、むなしく天に戻ることはない。それは大地を潤し、芽を出させ、生い茂らせ、種蒔く人には種を与え、食べる人には糧を与える。そのように、わたしの口から出るわたしの言葉も、むなしくは、わたしのもとに戻らない。それはわたしの望むことを成し遂げ、わたしが与えた使命を必ず果たす。>> その讃美歌作家のT先生。最終的には音楽教育を受けていますが、中学の頃までは、音楽が特別好きでもなく楽器ができたわけでもなかったとのこと。しかし、中学時代の友人が、ピアノを習い始め、放課後音楽室で、彼のピアノ練習につき合わさせられたとのこと。ところが、彼は覚えがそれほど良くなかったようで、同じところでつっかえることも多かったとのこと。そのうち、一緒にいたT先生のほうが「おいっ!そこ違うじゃないか。ちょっと、かしてみろ!」ってピアノで弾いたら、自分のほうが弾けちゃったんだって。そして、T先生はピアノが面白くなって、その友人と競い合うようにしてピアノの練習に励み、その後中学の音楽教師がちょっと手ほどきをしてくれたとのこと。それから、T先生は地元のN高校に入り、合唱の顧問を通じてだったかな(?) 教会にも導かれたということ。 以上がネタですが、そこで感じさせられることは、そのT先生の友人のこと。結果的にはピアノが決して得意でなかったからこそ、かえってT先生に音楽の面白さを伝えることになったのです。そこに人間の働きの面白さがあります。人間だれでもやるからにはそれなりの成果を、と期待することがありますが、その道でうまくいかなかったとしても、誰かをその道に引きずり込む役目を担うことがあるのです。 私も、牧師として立てられていますが、悩むこともあります。が、せめてT先生の友人ような役割が与えられているのではないか、と思います。誰かが何かを極める際のきっかけにでもなれれば本望かな、とも思います。そして、考えてみると、実は、誰でも自分の意図とは違って、神様から役割が与えられているのではないでしょうか。それは、ほんのちょっとした出会いや一言の言葉によってもあるでしょう。それが本人には自分の存在の意義をなかなか理解できない、ということが多々あるのが現実なのです。 しかし、確実にそのような出会いや使命が与えられているのだと私は信じています。 今日の聖書では、雨も雪にもなんらかの働きがあることが示されます。しかも、それは地下に染み込んで隠されたところでの働きと言えます。神様の言葉から生み出された私たちも、そのように、隠されて生きる意味が与えられているのではないでしょうか。お一人お一人の人生を振り返ったときに、そのような自分の人生を変える出会いがあったことでしょうし、誰かの一生に関わる出会いも経験されているのではないでしょうか。また、これからの出会い、この病院での出会いの中にも、意味が必ずあることでしょう。そのことを一緒に喜びましょう。 っていったお話でございました。 礼拝が終わった後はお茶の会があって、さらに大勢の方が集まられて、懐かしい唱歌や童謡などを歌いながら過ごしました。病気のために直接的には表情が分からない方も、楽しまれた様子を、他のボランティアの方々からも伺いました。 病と闘いつつ、そこにも人と人との出会いがあり、神様との出会いが与えられているように感じさせられました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Feb 5, 2008 08:12:35 PM
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