金曜プチ学習(その3) ---インドカレーに学ぶ湿度(3)---
【まえがき】学ぶ楽しさ、知る楽しさは、テストとは無縁である大人こそより感じ得るものです。しかし、せっかく知識を仕入れても忘れてしまうのが人の性。それを防ぐのが、人類の偉大な大発明である 『ノート』 です。是非とも好きなサイズのノートを用意して、プチ学習してみることをお勧めいたします。知っている事、知らない事を色ペン等を使ってノートにメモするのは存外と楽しく、様々な内容が書かれたノートを見返すのは、なかなかに面白いものです。 MASA----------(前回の続きです)グラフの読み方を、別の視点でもう一度解説します。図1 : 飽和水蒸気量(再掲図)図1の状態で前回は解説しましたが、これではグラフアレルギーの方にはわかりにくいものです。そこで、5℃刻みの温度ごとに、湿度100%の水蒸気量を視覚化したものが図2です。図2 : それぞれの温度の湿度100%すると、前回の問題であった (2) 気温40℃、湿度100%のときの水蒸気量は、40℃の柱の目盛りを読んで、50ちょいグラムだということが見て取れるでしょうか。(図1のグラフなら曲線上に目盛りがあるので、51.2グラムだとわかります)----------図3は湿度50%のときです。図3 : それぞれの温度の湿度50%湿度100%のときは、それぞれの温度のコップは満タンでしたが、図2のそれぞれのコップには半分だけ水が入っています。これが、湿度50%の状況です。前回の問題であった (3) 気温15℃、湿度25%のときの水蒸気量はいくらでしょうか。の場合を考えます。気温15℃の時の満タン状態が12.8グラムです。そして、湿度25%は満タンの4分の1なので、12.8の4分の1で3.2グラムだと計算できます。----------問題の解説は以上です。質問はどしどし受け付けます。図4を見ながら、次の(1)~(2)が答えられれば、『湿度』免許皆伝です。解答は一番下にあります。図4 : 飽和水蒸気量(再掲)(1)気温30℃、湿度50%である1立方メートルの空気が、気温15℃に冷やされた時に結露する水蒸気量は何グラムでしょうか。(2)床面積が5m×5m、部屋の高さが4mである体積100立方メートルの部屋があります。その部屋は最初、気温10℃、湿度100%でしたが、その後気温を25℃にしました。しかし空気が乾燥している感じがしたので、加湿器を使って気温25℃、湿度100%にしました。さて、加湿器の水はどれくらい減ったでしょうか。----------≪解答≫(1)気温30℃、湿度100%のときの水蒸気量は30.4グラムなので、湿度50%なら水蒸気量は15.2グラム。また、気温15℃の飽和水蒸気量は12.8グラムなので、12.8グラム以上の水が結露します。よって、15.2から12.8をひいて、2.4グラムとなります。(2)まず、1立方メートルで考えます。気温10℃、湿度100%の水蒸気量は9.3グラムです。このまま気温を25℃に上げても水蒸気量は9.3グラムのままです。また、気温25℃の飽和水蒸気量は22.8gであるので、湿度100%にするには、 22.8-9.3=13.5差の13.5グラムの水蒸気が必要だと分かります。これは1立方メートルあたりで計算したものなので、100立方メートルに換算するとその100倍の 13.5×100=13501350グラムの水が必要となります。つまり、1350グラムの水が加湿器から減ることになります。----------