さて、久しぶりに本の話である。実際は、言いたいことがまだまだあるのだが、キリがないので、また改めて書くことにする。
本書は、そもそも私が思っていたことをきちっと指摘している。
思い出してもらいたい。水泳背泳ぎ。鈴木大地の金メダルの後、バサロ泳法の距離が規制された。平泳ぎも、男子で好成績を出した後、頭を水没させてはいけないというルールが加えられた。
スキー複合。荻原健二を筆頭に日本勢が大活躍すると、日本勢が得意なジャンプの記録を距離の時間アドバンテージを小さくし、距離の得意な欧州勢が有利なルールになった。
サッカー、ワールドカップ日韓共催。誤審が多く、それで泣いた国もあった。
柔道。カラー柔道着や、時間制限、有効や効果などのポイント制重視。
実は、あまり知られていないが、卓球もボールが大きくなっている。これで、カットでボールに回転を与えることが難しくなり、体格のいいパワーヒッターの方が有利となった。
本書では、こうした事象を、そもそもルールが発生した過程を、サッカーやラグビー、バスケットを例に挙げて、詳説している。そして、なぜ日本が不利なのか、を的確に指摘している。
例えば、相撲を見て欲しい。外国人力士がやってきて、上位に進出してきた時、明確にルールの改正を行うことはしなかった。人数制限はしたことがあるが、今は全廃され、外国人の入門も昇進も、自由になった。明治以降、いくらかのルール改正はあったが(これはラジオ放送の都合で時間制限を設けるなどをしたもの)外国人に不利なルール改正はしていない。これは、日本人特有の「相撲道」という考え方によるものである。「道」である以上、伝統を重んじ、勝負そのものよりも、勝つことにどれだけ努力したか、そしてそれがいかに結果に表れたか、ということを見るものであり、チャンピオンを決めることが第一義である、西洋の価値観にあるスポーツとは異なるのである。だから、体重差があってもハンデをつけない。でかい方が勝って当たり前、そこを小さい方がどう工夫するか、を楽しむ競技なのである。
柔道も、元はそういう「道」であり、柔よく剛を制するを楽しむ競技だった。しかし、世界に紹介されて愛好家が増え、欧米の競技人口が増えて、国際柔道連盟の中で欧米人の発言権が強くなると、勝者を決めるためのスポーツにするためにルールをがしがし変えていった。無差別級はなくなり、ポイントを争うスポーツになってしまい、一本を狙う「道」である競技とはかけ離れたものになった。
なぜ日本人に不利なルールができるか。理由は簡単、発言力が弱いんですね。英語で欧米人を丸め込む演説ができないから、というのが本当のところのようだ。
日本は不利?さん
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バレーボールのことは、実は余りよく知らないのですが、ルール改正の内容を見ると、サーブがネットインしてもOK、というのが、日本人が不利かな、と思うくらいですね。そもそも、高いネット自体が、日本人に不利ですから。拾ってつないで速攻、というパターンしか通用しません。戦術的に選手を育成しないと、厳しいでしょう。
中国は、人種は変わらずとも、大柄な選手が多いですね。国家の力で、人材を集めて英才教育ができる強みがあると思います。
(2005年11月21日 21時09分10秒)