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成定 竜一~高速バス新時代~

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2011.10.10
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カテゴリ:メディア掲載情報
本日付の『フジサンケイビジネスアイ』に「高速バス 戦国時代直行 「ツアー」「乗り合い」すみ分け崩壊」と1面トップに大きく掲載、私のコメントも採用いただいた。その記事がそのままウェブ版の『SANKEI BIZ』に転載、さらに『YAHOO!ニュース』に配信されYAHOO!JAPANトップページのトピックスで紹介されたという、きわめて今日的なパブリシティ。記事中、メインで取り上げられているのが海部観光の「マイフローラ」。合わせてウィラートラベルの「コクーン」だ。「マイフローラ」と私のコメントが合わせて掲載されるのは『日本経済新聞』(8月2日付朝刊)、『日経トレンディ』(9月号)に続いて3度目。逆に言うと、今の会社を設立して以来、(専門誌・紙は別にして)メジャーな媒体における私の露出は全て「マイフローラ」がらみということになる。あらためて関係者と「マイフローラ」に感謝。

蛇足ながらこの海部観光、地元ではこの程度では済まない露出ぶりだ。地元紙ではバス以外の話題も含め掲載が続いているし、地元民放での生放送出演ももう何度目かだ。ビジネスアイの記事にある通り「マイフローラ」は大変優秀な「広告塔」であり、東京線はもちろん、6往復に増便したばかりの大阪線への波及効果も絶大。先日も書いたように地元で同社は既に「おらが街のバス会社」として認知されつつあるのだ。

この感じは何かを思い出すな、と記憶を辿れば、皮肉にも1990年ごろの「高速バスブーム」と呼ばれた時代に既存路線バス事業者の高速バスが各地元で話題になったこととオーバーラップする。「フェニックス族」(そういえばこの言葉も地元紙が取り上げてから定着した)などという言葉が生まれ、地方部から高速バスに乗って都会に出かけることがまだ新しかった時代。今日、徳島県民は海部観光の高速ツアーバスにその「新しさ」を見ているのだろう。なお、徳島県におけるパブリシティの難しさを挙げれば民放局が1局しかないことだが、これとて、逆に言えば近畿広域圏と呼ばれる大阪キー局の電波が届くエリア内に事実上あることを意味しており、徳島県と京阪神の物理的、文化的距離感の近さの象徴といえ、それこそが徳島~京阪神における高速バス需要の源なのだから文句も言えまい。

さてビジネスアイの記事に話題を戻すと、見出しにある通り、「新高速」制度実現が本格的に近づいてきたことを実感する。いや、それでもまだ半信半疑の関係者もいるようだから、もう一度整理しておく必要があろう。「新高速」への移行は、二段階に分けて行なわれる。まず、道路運送法における「一般乗合」のうち、「高速バス」に分類されるもの(ここでいう「高速バス」の定義はまだ公表できないのでお待ちいただきたい)について省令以下の改正を行ない、運行管理受委託の範囲を大幅に拡大(事実上の傭車容認。「企画」と「運行」の分離)するとともに運賃設定について事業者側の裁量を一気に拡大する(事実上のダイナミックプライシング導入)。それが「新高速」と呼ばれる制度だ。その上で、数年のデッドラインを設定して高速ツアーバスの原則全社を「新高速」に移行させる。

建前上、高速ツアーバス(募集型企画旅行形式の二地点間輸送)は禁止されないとはいえ、最終的には事実上、高速ツアーバスはほぼ強制的に「新高速」への移行が求められる。「細々と」ツアー形式を継続することは不可能ではないが、彼らの目的は「規制の網をかいくぐる」ことではなく「自らの事業を永続、成長させる」ことなのだから、わざわざ難しい生き方を選びはしないだろう(この辺の具体的内容は時期が来ればご説明する)。ただ、「ツアー」全社が「新高速」に移行するには数年かかる。それゆえ、既存の高速路線バス事業者の中には、<「新高速」など数年後の話だろう>と鷹揚に構えている方も見受けられる。

だが、第一段階に当たる制度改正自体は、「バス事業のあり方検討会」中間報告書に明記されている通り「年内を目途に」実施されるのだ。役人とて人間だから多忙な中で多少の前後はあるかも知れないが、いずれにせよここ数か月の話だ。当社が主催する「高速バス・マネジメント・フォーラム2011」においては国土交通省から新制度の説明が予定されているが、その時点(11月10日)ではおそらく制度の詳細まで解説があることだろう。

つまり、中長期的に高速ツアーバスの取扱いをどうするかという議論はまだ残っている(私としては、「新高速」が高速バス市場の成長に十分寄与する制度になるなら高速ツアーバスの制度上の禁止も選択肢の一つと考えている。ただし理念上は、新しいビジネスモデル構築もイノベーションの一つであり、高速ツアーバス全面禁止はバス産業が自らの手足を縛るだけだという信念だ)ものの、高速路線バスの制度が大幅に変わることだけは間違いないのだ。そして、本音の話、規制を強化することで自らの権益を守ることができるだろうと考えていた一部の人たちは、今回の件で十分以上に懲りていることだろう。

いや、そのような政治的な話では本来ないのだ。40年前、年間約100億人いた我が国の路線バス輸送人員は今や38億人。斜陽産業と言ってもいいこのバス産業が今後も社会的存在意義を保つためには、冷めていくばかりのぬるま湯に皆で浸かっている場合ではない。特に、公益事業として、より強く「公」の関与(お金も含めて)が必要な平場の路線バス分野と、収益事業として、鉄道や航空に対する「挑戦者」の立場から大きく市場拡大が見込める高速バス分野とで制度を分けることは諸先進国の事例を見るまでもなく当然の理である。その中で、圧倒的な顧客基盤、フリークエンシーを誇る「既存組」の高速路線バスが、その強みを今のうちにいかに盤石にしておけるか。「新高速」への制度改正をいかに自らの問題として認識できているかというところから、競争は既に始まっている。





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Last updated  2011.10.10 11:04:31
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京帝117@ ご参考まで この度 K電鉄バスの取締役安全技術部長に…
京帝117@ 残念でした 他にメッセージをお送りする方法を知らな…
成定竜一@ Re[1]:中央高速バス~ふたつの路線~(02/24) 京帝117さん、コメントありがとうございま…
京帝117@ Re:中央高速バス~この風は、山なみの遙かから~(03/02) 86年に私と、その後KKKに入社したH君の2…
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