天界７丁目

　ヒロは麻奈をボンヤリ見ながら、そんなことを考える。
すると麻奈は不思議な含み笑いで、身を縮めるような姿勢を取る。
胸を腕でギュッと寄せ、谷間を強調。
　――ザンネン。知らない女の子だったら、一発で悩殺されたのに。
　もはや麻奈のあらゆる乱行につき合わされたヒロは、
状況を素直に受け取らない。一通り脳内で残念がると、麻奈の真意を考えてみる。
これは挑戦かもしれない。
　ヒロは左右の手を組むと、ググッと胸筋に力を入れて対抗。意外に厚い。自分でも驚いた。
「……頭のおかしい人間ばかりだ。なんて部活だろう」

シュールなドリル野郎、伊都工平がMF文庫で帰ってきた。
伝奇系学園ハーレムもののはずがやっぱりおかしな方向へ飛んでいくぜ。
回転せよ！回転せよ！ぐるぐる吶喊だ！

モノケロスの魔杖は穿つ読了。



待望の新作。そして――

およそほぼ丸2年近く待ち続けた伊都工平の新作です。
今回は表紙イラストにも口絵にも変態武装は出てこないし、
読み始めこそ普通のハーレムものに思えますが……。

カドゥケウスをそう使うかよアンタは！！
カドゥケウスのデザインを見てアレを思いつく伊都ﾀｿはやっぱり狂っている。
凡百の作家ならば、医療の神の杖ということと二重螺旋構造から、
DNA関連の能力でも付加させそうなところを！
桜坂洋は単純な魔女の知識そのものとして扱ったところを！！
嗚呼！嗚呼！！
そうだ！そうだー！ぐるぐる吶喊だ！！



足りないレンズ　足りすぎた変人

ガッデム！なんてこった！眼鏡がいないじゃねぇか！？

だがしかし眼鏡はなくともメインキャラはあいかわらず狂っている。
というかもはや今回はストッパーすらいない。
挙句の果てには今までサブキャラクターとして、
ストーリーに華ではなく波を持たせていたひねくれ系娘が、
とうとうメインヒロインの座を獲得。
もはや誰もウサ耳魔女っ娘を止められはしない。

色々事情があって一人ハーレムもこなせるうえに、
幼稚園時代から全てが筒抜けな姉。
体育会系ボクっ娘風紀委員と、一見それなんてエロゲキャラも完備。
だが女二人をはべらせてプールに行こうとも全くエロくならない健全さ！
なんでアンタはそんなにシュールなんだよ！



ドリルで突き抜けろ

ラノベらしさを強調しながらも肝心なところで外してくれる我らが英雄、伊都工平。
わかりにくい設定、突如として天から舞い降りる最強ドリル、一般受けしにくいメインヒロインなど、
またもや俺たちを色んな意味でハラハラドキドキさせてくれるニクイ奴。
レーベルが変わろうとそのスタイルは変わらない――

このシュールさとドリル燃えを味わえるのは伊都ﾀｿだけ！
いいか野郎ども、吶喊！吶喊！吶喊あるのみだ！