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長押 綴

長押 綴

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2011.10.06
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自分を捨てることができるのは自分だけだ。
だからあたしは、いつも自分を捨て続けている。
芋虫が殻を捨てるように捨てて、それをいつも食べて自分の糧にするの。

そのままどこへ行けるかはわからない。
もそもそと歩いてもりもりと食べて。

いつか蛹になれる時が来る?
どろどろの重く柔らかいものになれるような場所が見付かる?
そうしたら蝶になれる?

そんなのは分からない。
だけど、目の前の全てはあたしの殻をはいでくれる。
そこから生まれ出るのは、最近の自分よりももっと大きくて強くて優しいもの。

かつての柄の方が好みとか言われても知った事はない。だってこれがあたしの生きる術。
母さんの残した唯一の夢。

「まっすぐに育つ」柾目。
「まっすぐに届く」真雨。

ただただ育つことと、誰かにものを届けることのためあたしは生きる。

その中で誰かを幸せにできればなおいい。
隣で走る幼馴染と笑い合える日常も幸せ。

あたしには悩む人の気持ちに本当に共感することはできないけど、でもそんな人もあたしの悩みのない様子を見ていると救われると言ってくれるから、それでいいんだと思う。

空をどこまでも自由に走る。

父さんのくれた異能があたしにそれを可能にしてくれる。

色々とりどりの世界があたしの横を駆けていく。
飲んだくれの父さんにそれは任せられそうにないから、父さんにその姿をせめて見せてあげるんだ。

そんなひと放っておけ、ダメ人間なんだから、と周囲の人は言うけれど。

でも、父さんを背負って走ることであたしはどうにか浮き過ぎずにも済んでいる気がするから。

「じゃ・・・・いこ、砂洲」
「待てよ、部屋の掃除がまだ済んでねえ」

まっすぐに生きてきたあたしに、皆がついてけないと言った。
だけど、砂洲はそんなあたしでいいと言ってくれた。
一緒に生きたいと。

「壊されたくないものだけ片づけとけばいいんじゃないの?」


「・・・・お前の想定することに時々ちょっとびっくりするぞ…」
「えー、いうねえ。あはは!」

「つーか、帰ってきたらまたこつこつ勉強するんだから、今のうちしとかないと後でめんどくなってまたしないままぐだぐだになるぞ」
「えー、はいはーい」

見る夢を全部達成できてないと言う人の気持ちは分からない。
大きな夢ほど追うのがうれしいと言うけれど、それなら追い切った後はどうするの?
それぐらいなら日々小さな夢をクリアして、ほっぷすてっぷじゃんぷで進んでいく方が余程幸せじゃない。進む場所も分かってる、進んだ苦労も報われる。

『それぞれの言い分があるんだよ。・・・・お前には、分からなくていいけど』

みんな、あたしにこう言う。
あたしは、理解しなくていいんだと。
引きずり込まれないで、引きずり込めると思われないで。そんな存在であってくれと。
たまにその声にむっとすることもあるけど、でもあたしには押し出す手の方に従うほうがやっぱり自然だと思うから。

だから今日もあたしは、空を駆ける。

大きなゴールに何が待っているとしても、それまでの小さなゴール全部をかき集めたら総計で幸せな人生に決まってるから。

to be continued...?





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最終更新日  2017.04.29 19:35:22
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