カテゴリ:テレビ
地デジ難視聴対策の衛星試験放送を22日から開始 -視聴不能チャンネルがEPGに現れる問題の注意喚起も
というニュースを読んで、早速、我が家のテレビで、BSデジタルのEPGを見てみた。 本当だ。 最近、BSをほとんど見ていなかったので、気付いていなかったが、地上波と思われる290番台のチャンネルが増えている! もちろん、3桁番号で強制的に選局してみたが、スクランブルが掛かっていて、見ることはできない。別の説明用のデータ放送に飛ばされてしまう。 詳しく調べてみると、このお話、地デジの基地局建設が2011年7月のアナログ停波までに間に合わず、テレビが見られなくなる人たちに向けての難視聴対策の放送を、BSで流すサービスのことだ。 目的が目的なので、様々な制約が嵌められている。 ・実際に見られる地域は、「地デジ難視対策衛星放送対象リスト」に書かれた地域の人だけ 目的が地デジ難視聴対策なので、誰でも見られるわけではなく、対象リスト以外の地域の人は、スクランブルがかかって見られない。リストの地域も、地デジの中継局が整備され、地デジが見られるようになれば、リストから除外されるようだ。 ・配信されるのは、NHKおよび東京キー局の民放の7chのみ 関東圏以外の地域でも、地元のテレビ局は見られず、東京キー局しか見ることができない。しかも、その地域で元々ネットされていない東京キー局は、スクランブルが掛けられて見れない(例えば、秋田ではTBSのネット局がないので、地デジ難視対策衛星放送が見られる人でも、TBSは見られない)。ちなみに、地方局が、複数の東京キー局の番組の混合編成である場合は、その複数の東京キー局はスクランブル解除されるらしい。 ・今年の3月11日から本放送を開始し、2015年3月末までの期間限定で実施する予定 基本は、地上デジタルの中継局が整備されるまでの暫定措置という目的なので期限も切られている。ただ、元々の地上アナログでも難聴地域があったことを考えると、本当に2015年でやめられるのかは疑問だ。正直、人が少ない地域に、中継局を作るより、光ファイバを引いてIPで放送を流すより、BSで流す方が、全国レベルで見れば断然コストは安くて効率がいい。 それをしないのは、地方局の経営を配慮してのことだろうが、そろそろ地域を限定した放送免許の考え方自体に無理がきているように思う。 ・放送はハイビジョンではなく、SD解像度になる。 BSの新しく認可された周波数のトランスポンダを一つ使って7chも放送するため、ハイビジョンではなくSD解像度での放送になる。SD解像度と言うと、DVD並みと思う人も多いが、使えるビットレートを考えると、実際の画質はDVDより悪いだろう。もちろん、データ放送は配信されず、EPGも簡単な情報しか流れないもよう。字幕はさすがに表示されるようだが。 ・基本は既存のBSデジタル放送が受かるテレビ、レコーダーで視聴できる!? 番組ガイドも、容量を節約するため詳しい情報表示されないなど、なるべく従来のテレビやレコーダーで障害が起きないよう、配信方法を考えてあるようなので、基本は既存の端末が使える。ただ、既に下記の例も出てきており、場合によっては、新しいBSの周波数に対応できず、対策もできない製品もあるかもしれない。 ソニー、初代BDレコーダ「BDZ-S77」をアップデート -地デジ難視対策の放送でBSが一部受信できない問題 BSなので、立地によっては、BSアンテナを立てられない家もあるだろうし、そもそも北海道や沖縄の離島は受信が難しいため、決して万能ではない。 なので、すべての全国のテレビを衛星で流して、地上波なんてやめてしまえしまえ、というのは乱暴な議論ではあるのだが、それでも、過疎地にローコストに電波を届ける手段としては、衛星放送というのは大変優れた手段だと思うので、期間限定で終了するのは得策ではないように思うのだが。 ところで、BSデジタルは、スタート時には、1,3,9,13,15chの5つのトランスポンダで始まったが、今後、BSアナログが2011年に終了すると、5,7,11chが使えるようになり、地デジ難視対策放送用の17chに加え、19,21,23chが将来放送に使えるようになり、そうなると、伝送容量は今の倍以上である。 今流している無料チャンネルは、ほとんどが民放の系列だし、そのどこもが経営に苦しんでいる。 だったら、今の放送形態をやめて、全国のすべての地上波テレビ局をSDTVで流してしまったらどうだろう? 全国の放送がどこでも見られるようになるのが、視聴者としては理想なのだではないだろうか? 権益に守られてきた放送局は、そんな自由競争の世の中に賛成するわけはないだろうな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年02月25日 08時02分58秒
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