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なにわっこ会計士の司法試験受験簿

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Sep 2, 2004
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カテゴリ:刑法過去問答案
【問題】 平成12年・第1問
 甲は、友人乙、丙に対して、Aが旅行に出かけて不在なので、A方に侵入し、金品を盗んでくるように唆した。乙、丙は、A方に侵入したところ、予期に反しAが在宅しているのに気付き、台所にあった包丁でAを脅して現金を奪い取ろうと相談し、Aに包丁を突き付けた。ところが、Aが激しく抵抗するので、乙は、現金を奪うためにAを殺害しようと考え、その旨丙にもちかけた。丙は、少なくとも家人を殺したくないと思っていたことから、意外な展開に驚き、「殺すめはやめろ。」と言いながら乙の腕を引つ張つたが、乙は、丙の制止を振り切つて包丁でAの腹部を刺し、現金を奪いその場から逃走した。丙は、Aの命だけは助けようと考え、乙の逃走後、直ちに電話で救急車を呼んだが、Aを介抱することなくその場に放置してA方を立ち去った。緒局Aは、救急隊員の到着が早く、一命を取り留めた。
 甲、乙及ぴ丙の罪責を論ぜよ(特別法違反の点は除く。)。

【答案】 平成12年・第1問
1 乙の罪責について
(1) 乙は丙と共にA宅に窃盗目的で侵入しているから、住居侵入罪の罪責を負う(130条)。
(2)ア(次に)  乙は強盗の目的で殺意をもってAの腹部を包丁で刺し現金を奪ったがAは一命を取り留めている。
(このように)強盗が殺人の故意を持って人に暴行をした場合、何条の問題とすべきか。
(思うに) 240条後段は強盗の機会にしばしば殺傷が行われる点に注目した刑事学的犯罪類型であり、殺意を伴う場合のみが除外されているとは考えられない。
(よって) 強盗が殺人の故意を持って人に暴行をした場合も240条の問題とすべきである。
イ(では)  強盗殺人罪の既遂となるか未遂となるか。
(この点) 240条は生命・身体の侵害が伴うことを理由とした236条の加重規定である。
(よって) 強盗殺人罪の既遂と未遂の区別は生命侵害の有無で決するべきと考える。
(3) (以上から)乙には強盗殺人未遂罪(240条後段、243条)と住居侵入罪が成立し、両罪は牽連犯(54条1項後段)の関係に立つ。
2 丙の罪責
(1) 丙は乙と共にA方に侵入しているので、住居侵入罪の共同正犯が成立する。
(2) (さらに) 乙と強盗を共謀しAに包丁を突きつけた行為は強盗未遂罪の共同正犯を構成する。
(しかし) 丙は乙のA殺害の申し出を拒否し、その行為を制止しようとしているので、強盗殺人についての共謀は成立していない。
(よって) 乙との強盗殺人未遂罪の共同正犯は成立しない。
(3)ア(しかし) 乙は共同正犯として強盗の実行に着手しているので、Aの傷害結果につき強盗致傷罪の共同正犯の罪責を負わないか。
(もっとも)丙は乙に対しAの殺害をやめるように言って、乙の腕を引っ張っているので、共同正犯関係からの離脱も認められそうである。
イ(この点) 共同正犯の処罰根拠が法益侵害結果と自己の行為の間の因果関係の存在に求められる以上、離脱が認められるには、自己の行為と結果の心理的・物理的因果性を切断しなければならない。
ウ(しかし) 丙は殺害をやめるように言ったのみで、強盗を中止する意思を表明したわけではない。
エ(よって) 丙は強盗の共同正犯関係に関する自己の行為と結果の心理的・物理的因果性を切断したとはいえず、離脱は認められない。
(4) (もっとも)強盗によって傷害結果が生じているので、強盗致傷罪は成立する。
(なお)  丙が救急車を呼んだ行為により、Aの死の結果が避けられたのかもしれないが、傷害の結果が避けられたわけではなく、丙の罪責には何ら影響はないと考える。
(5) (以上から)丙には強盗致傷罪(240条前段)と住居侵入罪が成立し、両罪は牽連犯(54条1項後段)の関係に立つ。
3 甲の罪責について
(1) 甲には、乙・丙に対するA方への住居侵入罪の教唆(61条)が成立する。
(2) (さらに) 甲は乙丙に対し、窃盗の教唆を行ったにもかかわらず、乙は強盗殺人未遂を丙は強盗致傷を行っている。
(そこで) 甲はいかなる範囲で責任を負うかが問題となる。
(3) (思うに) 故意責任の本質は、犯罪事実の認識によって反対動機形成の機会が与えられているのに、あえて行為をする点が重い非難に値することに求められる。
(ここに) 犯罪事実は構成要件として類型化されているから、認識と事実が構成要件内で一致していれば故意責任を問いうると解する。
(とすれば)窃盗罪と強盗罪の構成要件が異なるので故意責任は否定されるかに見える。
(しかし) 事実と認識の間に実質的な重なり合いが認められるならば、その限度で反対動機を形成でき故意責任を問うてよい
(なお)  かかる重なり合いは保護法益や行為態様などから判断すべきと考える。
(この点) 窃盗罪と強盗罪は財物の占有を保護法益とし、財物の占有を奪うという点で共通しており、窃盗の範囲内で重なり合いが認められる。
(よって) 甲には窃盗の教唆犯が成立する。
(4) (以上から)甲には窃盗の教唆犯(235条、61条)と住居侵入の教唆犯(130条、61条)が成立し、両罪は牽連犯(54条1項後段)の関係に立つ。
以上





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Last updated  Nov 23, 2004 11:10:12 PM
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