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テーマ:ξバイク好きの交流所ξ(732)
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1ヶ月以上もご無沙汰していた整備士なおさんのところへ 今日はWOOの面構えを替えてしまった報告に行って来た。
「付けちゃった」の開口一番に、 「風防かぁ、付けたんだ」でおしまい。 四の五の言われると思っていたのでかなり拍子抜け。
「タイヤ替えようか」 あぁ。それがあったか。 去年の秋に早々買わされて以来、まだいいよまだいいよと 後延ばしにしてきたんだけど、減りも去ることながらヒビが来てる。 今月も給与遅配ゆえ手持ちが少ないのになぁと思いながらも お願いすることに。
歩いて一分のやまだうどんで揃ってランチの後、 それじゃあやりますかとタイヤを外しかけたなおさんが突如絶叫! なに?何か壊れてる?つぶれてる?なくなってる?なになに? 腰を抜かしそうになってるなおさんの傍らに近づいて タイヤに寄ってワタシも驚愕。 そこには目を疑う光景が。 いつやったかなんてわかるはずもなく、 それよりも今日来なかったら、今日タイヤを替えなかったら なおさんが運良く見つけてくれない限りそのまま帰っていたはずで。 となればフェンダーの内側か、チェーンケースか、 あるいはチューブにまで影響を与えていたかもしれない。 ふたりして凍った背筋を溶かすように大きく深呼吸したのだった。
「いやぁ、今日やってよかったよ。奇跡だよ、奇跡」 何が奇跡なのかよくわからないけれど、 やはり何かに守られている気がしてならないのだ。
実は昨日もこんなことがあった。
モタサイショーから帰って来て、いつの駐輪スペースにバイクを入れ、 しかしサイドスタンドを出し損ねてバイクを横たえてしまったのだ。 そこはタイル敷きの一角。 通常の要領でバイクを引き起こしても、接地しているタイヤの側面が滑り、 バイクはずるずると壁側へ寄っていってしまうばかり。 そのまま立てても壁がつっかえとなり途中までしか起こせない。 しかたなく渾身の力でバイクを手前に引きずって、 再度やってもまた同じこと。
以前バイクに乗っていたお隣のご主人に助けを乞おうと行ってみても 無情にお留守。 メットも革ジャンも脱ぎ捨てて2度3度と繰り返して、 もう腕に力が入らなくなって泣きそうになったころ、 軽いブレーキの音とともにスーツ姿の見慣れない青年が うちのエントランスに入って来た。 「手伝いましょうか」
習志野の白馬の王子には昨日も逢ったけれど、 人生で初めて出会う本当の意味での白馬の王子様は 自転車に乗ってやってきた。 まだ起きてもいないのに、助かったと思ったワタシ。 ありがとうございますーと、膝が見えるまで頭を下げていた。 すっと自転車から降りた王子様に助けられ こともなげに起きちゃったWOOさん。
「前にちょっと乗ってたことあって。これ、乗ってるんですか? ひとりじゃ大変ですよね」 はい、はあ、といいながら、お礼しかいえないワタシ。 息が切れてまともに会話ができなかったのだ。
名前を聞くべき?お礼を送るべき?いろんなことを考えながらも、 それじゃあと行ってしまった背中を見送る。 路地に戻ってなにやら紙を広げている様子はどうやらセールスマン? どんな方でも構わないんだけれど、通りすがりに駆け寄ってくださるとは。 しかも後から思えば今風のイケメンだったではないか。 あぁ、もったいないことを…。
擦り傷でズタボロになったサイドバッグも悲しいけれど、 すでにWOOを支えきれない筋力のなさに愕然。 この先、思ったほど長くは乗れないのかもと意気消沈しながらも、 でもきっと何かが守ってくれているという確信がある勝手なワタシなのだ。
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