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テーマ:お金のハナシ(2259)
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巷では新生銀行とあおぞら銀行の合併の観測がある。
グーグル検索で‘新生’‘あおぞら’と入力すると候補として‘新生 あおぞら 合併’が 第一候補で現れる。 もし新生とあおぞらが合併したらその預金はどうなるか。 預金保険機構の説明ではこう書いてある(Q11)。
もし新生とあおぞらが合併の時は合併時に預金は合算されるが、 合併後1年間に限り特例により2000万とその利息が保護対象になる。 特例とあるように合併時点でひとつの銀行になるのだから、 本来1000万しか保護しないところを1年間は‘執行猶予’してあげると言った感じだ。 しかしここで或る問題が生じる。 1年という期間だ。 流動性預金は問題無いし、定期預金も1年物ならば確実にこの執行猶予期間に 満期がくるから対処できる。 対処できると言う意味は合併して生まれる銀行(例として再生曇り空銀行?)に対しての預金額を 預金保険の限度額の範囲内にコントロールできると言うことだ。 但し中長期の定期預金はそうはいかない。 1年の執行猶予期間後にしか両行の満期が到来しないケースがあるからだ。 世の中で円定期預金といえば1年物が主力なのは間違いない。 夏や冬のボーナスキャンペーンで利率を競うのは基本的には1年物だ。 3年より長い期間に積極的なのは、このブログの最大の人気記事である日本振興銀行、 他にはオリックス信託あたりに限定されていた。 ところがこの夏以来新たに新生とあおぞらが極めて積極的に参加し始めたのだ。 新生は3年、4年、5年では飽き足らず10年物まで始めた。 あおぞらは以前は金利が低過ぎて目にも止まらない存在であったが、 夏以降それなりにやる気を見せ始め新生の後を追っている。 両行の預金金利は10月の日銀の利下げにも負けず‘逆行高’となった。 高い金利を払い、期間の長い預金に軸足を移す。 まさに両行の窮状を物語っていると言っていいだろう。 そんな連中に金を貸す気はしないが預金ならできる。 預金保険があるからだ。 景況感から言っても当面低金利が続きそうだから中長期で預けたくなる地合いだ。 しかしここで例の問題が発生する。 例えば新生に5年物を預けた人があおぞらにも5年物を預けたとしよう。 話を簡単にするためにどちらも元本は1000万と仮定する。 そして両行が2009年9月に合併して‘再生曇り空銀行’が生まれたとしよう。 預金額は2000万になるが2010年9月までは保護される。 しかしそれ以降約3年は保護されるのは1000万だけだ。 新生とあおぞらの場合、単に合併しても‘弱者連合’になるだけだから、 当然公的資金で資本注入されて、一旦は健全化されるだろう。 しかしだからと言って、その後も健全性が維持されるかは全くの未知数。 銀行名が‘再生曇り空’だもんね・・・(-_-;) 3年間ペイオフの上限を1000万オーバーしながら安閑としていられるとは到底思えない。 結局安全策を取るなら当初預けた預金を中途解約して残高を1000万に減額することになる。 中途解約利率は勿論定期の約定金利に比べて低い。 新生はまだましな方だがあおぞらは普通預金利率が適用される。 その受け取り利息の差額分その他の不利益は預金者が被るのだ。 これが腑に落ちないのである。 元来は1行1000万で満期まで保護される筈の預金が、預金者が予想し得ない要因である ‘合併’によって面倒なことに巻き込まれる。 どうせなら2行とも破綻してくれた方がスッキリする・・・(>_<) これは制度の欠陥ではないだろうか。 制度とは特に預金制度は‘これさえ守ればなんの不安もない’状況を 国民に提供すべきものだろう。 語弊はあるが預金者が一旦その制度に従えばその後は‘思考停止状態’でも 通用するものでなくてはならない。 あそことあそこが合併しそうだから中長期の定期はやめておくべきだな。 なんて判断を預金者に要求するのは筋違いだろう。 2年~10年の定期預金という商品の販売を許している以上、合併後の猶予期間が1年では カバーできない。 もっとシンプルに当初の預金契約は合併如何を問わず満期日まで預金保険の範囲内で 保護するようにすべきではないだろうか。 自分では今日書いたことは‘正論’だと思うが、ここで愚痴を言っているだけでは物足りないので、 少し行動してみようと思う。 行動したらまた書くつもりだ。 《追加記事》 銀行合併後の1年の特例では中長期の預金は守られないぞ~預金保険機構と金融庁に電話して得たものは~ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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