・「基材」アロマセラピーで手作りされるハンドクリームやリップクリーム、石鹸などの基材としては植物オイルの他にミツロウ、シアバター、ワセリンなどがある。ミツロウは蜜蜂が巣を作る時に分泌する天然ワックスで、ビーズワックスと呼ばれている。ミツロウはそれ自体も保湿効果などを持っているが、溶かして植物油とともに用いることでクリームの堅さを調整することが出来る。ただし、融点が高く、ワックスなので汗腺や皮脂腺を塞いでしまう恐れがある。ニキビの出来やすいフェイスや皮膚呼吸を妨げるほど広範囲への塗布は適さないだろう。リップクリームやハンドクリームを作るのにとても良いと思う。精製していないミツロウはほんのり甘いハチミツの香りがする。 融点が低く肌に塗ると体温で溶けるものにシアバターがある。シアバターには紫外線を吸収する桂皮酸が含まれているため強い陽射しから肌を守ると言われている。夏のフェイスクリームに良いのではないだろうか。 ワセリンは鉱物油で分子量が重く汗腺や皮脂腺を塞いでしまう。しかし、その疎水性の高さで寒風にさらされる時期のハンドクリームには適しているし、精油を皮膚表面に留めてくれるので床ずれやオムツかぶれ等のように部分的に用いれば高い治療効果を発揮すると思われる。 参考図書:レン・プライス著『キャリアオイル事典』(東京堂出版) グリーンフラスコ監修『アロマテラピーのすべてがわかる事典』(ナツメ社) |