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【ライブレポート】INABA / SALAS「素晴らしい歌声ありがとうございました」 BARKS
稲葉浩志とスティーヴィー・サラスによって誕生した『CHUBBY GROOVE』は、“稲葉浩志が歌うファンクロック”という大方が思い描いた作風をサラリと飛び越え、ノリの良いハード&キャッチーなグルーヴ感あふれる作品となっていた。 これは、ひとえに“これまでに聴いたことのない稲葉浩志の世界を生み出そう”とコンセプトを掲げた、スティーヴィー・サラスの明確なプロデュース・ワークによるものだ。 そしてそれが完成するに至った重要なポイントに、その高度な要求に120%応えるべくスティーヴィーの描くサウンドへ身を寄せることに徹底した、稲葉浩志の決意の固さと懐の深さがある。 : INABA / SALASの全国ツアー<CHUBBY GROOVE TOUR 2017>は、1月から2月にかけて1ヶ月に及ぶものとなったが、そこで繰り広げられたステージは、どでかい波が押し寄せるような音の息吹を身体全体で体感させてくれる、生々しく艷やかなものだった。 特筆すべきは、繰り出されるそのグルーヴで、針の穴を通すような几帳面さや丁寧に音符をトレースするような神経質さではなく、ただただ呼吸を合わせることで鼓動がシンクロしてしまうような、そんな肉感的な躍動感に満ち満ちていた。 : 誤解を恐れずに言うならば、CDよりライブのほうがどの曲も100倍カッコいい。まさにライブで鳴らすために設計されたかのダンスナンバーであり、グルーヴナンバーであり、パワフルナンバーだったことがよく分かる。 そもそも楽曲が持っているノリの良さは、CD音源ではパッケージングできないものなのかもしれないわけで、生演奏ならではの瞬発力と発せられるエネルギーが直接オーディエンスの身を焦がすかのようだ。 ステージ上に生み出される空気はとにかくハッピーなもので、理屈抜きの自然体なノリの良さが、会場を埋めるひとりひとりに直接伝播されていく。 稲葉浩志はMCで「演奏するのが初めての曲ばかりで、ほとんど新人バンドの気分」と言っていたが、ステージを共にしているメンバーを「個性豊かな、自分が持っていないものをいっぱい持っている人たち」であり「フレッシュでインスピレーションをもらうメンバー」とも語っていた。 彼らが生み出すCHUBBYなGROOVEこそが、INABA / SALASが生み出した最大の宝物であり、それをみんなで共有する特別な場が<CHUBBY GROOVE TOUR 2017>だということなのだろう。 : 会場を震わせる大合唱で終わったこの日、稲葉浩志は「素晴らしい歌声ありがとうございました。めちゃ気持ちよかったです。どうもありがとう」と頭を下げ手を振ってステージを去った。 決して用意されていたセリフではなく、心から飛び出してきたであろうその言葉には、感謝と感動と興奮の息遣いがあった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.02.24 13:55:02
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