|
カテゴリ:ママ事
【ママ日記】
私は日曜日の夕方が嫌い。何ともいえない悲しさというか、寂しさがこみ上げてくるから… そう、私が高校生になったばかりの頃の話。 その日は日曜日だったけど、作品展が近いということで部活をしに学校へ行っていた。 …が、なぜかその日は気分が乗らない。搬入日までもう時間がないというのに 思うような色も出せず、筆も動かない… なんで、まだ3時ごろではあったが家に帰ることにした。 私が家についた時、自転車で買い物に行っていた母も帰ってきた所だったが何かいつもと様子が違う。 倒れ込むようにキッチンのソファーに横たわり「頭が痛い頭が痛い…」と繰り返す。 そしてもともと頭痛持ちであった母の常備薬のバァファリンを取ってくれとうわ言のように言っている。 とっさに奥の居間でテレビを見ていた父を呼び、救急車を呼んだ。その時何を言ったか覚えていない。 母は「頭が痛い」を数回繰り返し、そのまますぐに意識がなくなった。 そして救急車が到着し、救急隊員の方の呼びかけや手足への刺激にも何も反応がなかった。 すぐ近くの国立病院に運ばれたが、そのまま意識は戻らず5日後に亡くなった。 「くも膜下出血」だった。…母は47歳だった。 あまりにも突然の出来事…。 高校一年生だった私、自宅で行われたお通夜、お葬式、火葬場での記憶が途切れ途切れであり、 その場にいたはずなのに、どう記憶を整理しても思い出せない部分がある…。 病院に泊り込み、最後の瞬間もその場にいたはずだが、記憶がぼんやりしている…。 あれから15年以上たった今でも、日曜日の夕方になると、何ともいえない寂しさがこみ上げ ふと母が買い物から帰ってくるような気がすることがある。 せめて看病できる期間でもあったなら…少しでも話が出来たなら、大事に至る前に気付いてやれたなら… と何度も寂しさと悔しさで涙を流した。 でも、あの日いつもは遅くまでやる部活をやめ、家に帰ったのは「虫の知らせ」だったのだろうか。 楽しく家族で外出をし、帰る時間がちょうど夕方になるのも嫌い。 友人が遊びに来てくれて、夕方に帰ってしまうのも嫌い。 日曜日の夕方に一人でいるのはもっと嫌い…。 でも一番悲しく悔しかったのは母なんだろうな…きっと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[ママ事] カテゴリの最新記事
|