正直言えば私は丸長を知らなかった。荻窪といえば「春木屋」「丸福」そして「丸長」が三大荻窪ラーメン代表店だというガセネタ臭い情報も聞いてはいたのだが「丸福」と「丸長」の区別がついていなかったのだ。荻窪はいけどもいけどもラーメン屋。そんな昔話はどこへやら、今となってはどの町でも荻窪ほどの店舗数。斜陽のラーメンタウン、荻窪。有名どころ「丸信」も「丸福」「めん家」も営業をやめ、かぼそく残る歴史ある有名店のひとつ「丸長」へと足を運ぶ。前日の「春木屋」のせいか、いささか期待は薄い。
つけそば 650円
つけめん、ではなく、つけそば。という表記に目がいく。値段も良心的。以前「二郎」へ行く途中に見かけた店だと気が付く。誰も並んでおらず、店舗に入るとほぼ満席。運良く座ることができたが、私のすぐあとから行列がはじまった。つけそばのタレの作り方が独特。黒ゴマ?マー油?なんだかわからないが黒い液体を入れつつごりごりと混ぜる。また何かを入れてごりごり。一体。店員は多く狭いカウンターの中は店員でひしめきあっている。麺係り、スープ割り係り、ごりごり係り、レジのおばちゃん、チャーシュー切る係り。タレはちょっと辛さ強めの甘辛すっぱい。食べてみて感動。久々に(支那そばあおば以外で)感動的に美味いラーメンを食べた気がする。荻窪では「珍来」「春木屋」「二郎」でしかラーメンを食べたことはないが、ここ「丸長」はそのなかでも圧倒的に美味い。タレに強みと衝撃、麺にやわらかな中にコシを感じる。へたをするとここ数日で食べたラーメン屋(日記には書いていないが新中野の青葉などにも行ったのだが)のなかでも圧倒的かもしれない。丸長の総本山、と聞いて「丸長なんてシラネーヨ、なんだよえらそーに総本山て。この包茎野郎」と思ったりもした自分を恥じる。あ、でも、チャーシューは普通かな・・・。次はラーメンを食べにきてみたいと思う。