「晴れ、ときどきサバンナ」・・夢とアフリカ
子どもの頃に抱いた無邪気な夢はずいぶん大きくなるまで胸の中にきらめき続けたけどとりあえずその道の大学に入って中途半端に社会を知り、回りの水に薄められていくうちに実現可能な夢から、単なる夢物語にすりかわった。で・・・「アフリカの大自然の中で、人間のために傷つく動物達を助ける獣医」ではなく日本の町の、犬猫を診る動物病院の獣医になった。結局、それは私のやりたかったこととは別のものだったらしく結婚して子供ができてからは子どもといっしょに過ごすことの方が大切に思えてせっかくの獣医師免許もただの紙切れになった。父と母には申し訳ないことをしてしまったけど私が私であるために無駄になったことはひとつもなかったと思ってる。私には、私が来た道がふさわしかったんだしやり直したいとは、全然思ってない。だけど、子どもの頃の自分と似た夢を、誰かが実現させてくのを見るのは幼い夢や感情を心に呼び戻してくれて、ものすごくわくわく・・自分が渦中にいるような錯覚を起こしつつ(笑)本気で困ったり、本気で喜んだりして感情がオーバーラップする。そんな楽しさをくれたのが、この本。晴れ、ときどきサバンナこの本の著者、滝田明日香さんは6歳の時に日本を離れて、アメリカでの大学在学中に単身アフリカに飛んでアフリカの自然、動物だけでなく、そこに暮らす人々にも共鳴してどんどん野生化してく(笑)動物学者を目指していたはずの彼女はついにはナイロビ大学の獣医学部を経て獣医としてナイロビで暮らしてらっしゃるそうです。夢を、単なる夢物語で終わらせない彼女のエネルギーと行動力。それに加えて、いい人たちとの出会いに恵まれ支えられ夢はますます具体化して現実に近づいていく。本気で願えばいい出会いが引き寄せられてくる・・。夢をかなえるというのは、こういうことなんだね。この本の中では、アフリカの大自然とその自然に調和して生きるアフリカの人たちの文化も生き生きと語られています。夢は実現させるもの、という元気をくれアフリカが大好きになれる1冊です。