ソケイ(鼠径)ヘルニア手術・体験記
お盆を挟んだ会社の夏季休暇中に、近所の医大病院でソケイ・ヘルニアの手術をしてきました。 既述のとおり、この病気の治療法は手術しかありませんが、この10~20年の医療技術の進歩によって、手術方法は大きく変化しているようです。数年前の経験者の体験記を読ませてもらいましたが、自分とはちがうかなと感じた部分も含め、簡単に体験記をまとめておこうと思います。 手術方法は、最新のクーゲル法という、ポリプロピレン製のメッシュを腹筋の内側に挿入する方法です。従来の手術法に比べ、手術時間・予後も短くて済むそうです。 入院・手術は、日帰り、1泊2日、2泊3日のうちから選べるということなので、1泊2日を選択、3日目は自宅で静養し、4日目には仕事が始まるというスケジュールを立てました。 ---・8/15(手術当日) 9:00~手術ということで、8:30に息子の運転する車で病院へ。家内と娘もヒマだからと付いてきて、一家総出(汗)。 以前に読んだ体験記(場所も時間も違いますが)では、導尿カテーテルの挿入とか、浣腸をしたとの報告もあったが、当病院では一切なしとのこと。 早速、手術着に着かえて、看護師さんと歩いて、手術室へ。 執刀医・麻酔医・看護師の簡単な紹介のあと、下腹部の部分剃毛(全部でなくて良かった:苦笑)。 体を丸めてエビぞり姿勢になり、脊椎麻酔の注射。痛いという話もありましたが、それほどでもなく、ちょいとチクリとした後、液を入れていくのが感じられます。 10~15分くらいで麻酔の効きめを試すために、足からお腹をちょこちょことひっかいて確認。どうも、効きが中と半端らしく、全身(睡眠)麻酔に切り替えることに。看護師さんから、「起きたころには終わってますよ」と言われ、分かりましたと返答。薬を点滴から入れて、多分5-6秒か、意識を喪失。うつらうつらして目覚めると、ちょうど傷口に絆創こうか何かを張っている。 フワフワした気分の中、ベッドを押されて入院室へ移動。家族に時間を聞くと、ちょうど1時間(10時)経ったよう。 12:30 病院での最初の食事。サワラの焼き魚に、ヒジキの煮もの、漬物とご飯。食欲はあるが、痛みが怖いので、半分のみ。 13:30 検温:37.3度℃。微熱があるがこれは想定内。麻酔が切れて痛みが出てきました。寝たまま体の姿勢が変えられないのが結構つらい。 15:00頃、看護師さんが、トイレは行けそうですか?と聞くので、行くのは行ってもまだ局部の感覚が戻らず、尿意がない旨を返答すると、とにかく一緒にいってみましょう、もし出なければ、”別の方法”を考えますとのこと。”別の方法”というのが何だか怖そうで、そろりと移動してしばらくトイレで待機。局部の感覚は戻りませんでしたが何とか、(小)完了で一安心。 17:00頃、夜間担当の看護師さん(男性)がご挨拶。痛みが強くて寝返りが打てずに苦労している旨を話すと、夕食後に、鎮痛薬をお持ちしますとのこと。検温:37.5℃。 18:10 夕食: トーフステーキの肉トマトソースあえ、焼き飯、ニラとジャコの酢の物、野菜の煮物・中華風、デザート・メロン、完食。 20:00 看護師さんから痛み止めの飲み薬をもらって服用。これが思いの外効いて、かなり楽になる。 21:00消灯、痛みが和らいだこともあり、コロっと寝る。1:00, 3:00, に目が覚める。トイレに行くが、かなり楽。もっと早く、痛み止めをもらえばよかった。 5:00 起床。 10分ほど、ゆっくりフロアを散歩。痛みはかなり軽減してきました。 6:00過ぎ、看護師が回診、検温36.5℃。良かった熱も下がった。 7:30 I医師(執刀医ではない)他の5・6人で回診、腹部に力を入れてみてといわれ、力をいれる。それをみて問題ないだろうという。傷を良くみてくれたのは、多分、麻酔の担当医。 8:00過ぎ、痛みが怖かったが、意を決してトイレへ、時間はかかったが(大)成功。 9:00 昼間担当の看護師さんに交代: 検温 36.8℃ 腹部の左右の膨らみが違うことを相談、様子をみて必要なら外来へとのこと。 10:00過ぎ、家族が迎えにきて、退院。 傷口のテープは、2・3日で剥がれてくるのではがしてよし、擦れていたいようだったら、市販の防水型ばんそうこうを貼るとのこと。痛み止め以外に薬は出ず。 長いような、短いような、2日間が終了しました。 --- 退院後、2日ほど、家で静養して、3日目に予定通り会社で仕事。 夕方になると、微熱が出る日が2日ほど続きましたが、3日目には微熱もなくなりました。 今日(8/22)で、ちょうど1週間が経過。表面の傷の痛みは少なくなりました(笑ったり、くしゃみすると痛い!)が、体内に異物を入れているせいか、下腹部には違和感が残ります。これがなくなるのにどれくらいかかるか不明ですが、とりあえず、普通の生活(スポーツは除く)は可能になりました。 短い入院でしたが、いろんな方にお世話になりました。自分は傷の痛みはありましたが、周りの患者さんのお辛らそうな様子に比べれば、ほとんど健常者。当たり前のことながら、健康のありがたみを痛切に感じました。 看護師さんには大変親身に接して頂いて感謝です。6人部屋でしたが、夜間はひっきりなしに、他の患者さんに呼ばれて、体を拭いたり、寝返りを打たせたりでしたが、声色も変えずに、やさしく接しておられたのには、頭が下がる思いでした。 以上、拙い体験記になりましたが、何かの参考になれば幸いです。