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2021.07.04
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カテゴリ:本、雑誌、記録
2021年2月28日付朝日新聞で、「福岡伸一博士さんと考える『コロナ時代の生き方』」という記事がありました。青山学院大学教授・生物学者の福岡伸一さんがウイルスについて述べられた事がまとめられています。

「ウイルスは構造が単純なので、生命が誕生した38億年前から存在してたと勘違いされがちだが、実は私たち多細胞生物が生まれてから現れた。私たちの細胞の中にあるゲノムの一部がちぎれ飛んだ『私たちの遺伝子のかけら』がウイルスなのだという。
生命は通常、親から子、孫へと垂直に遺伝子を伝えていくが、ウイルスは水平に遺伝情報を渡し、しかも種を超えて伝えることができる。いわば遺伝情報の『運び屋』として生体の間を渡り歩いている。ウイルスは大半が無害で、自ら移動することはできない。だから新型コロナウイルスも人間が運び、人間が増やして広めている。
『ウイルスは本体、私たちを含む大きな生命圏の一部で、完全に撲滅したり、排除したりすることはできない」

「ウイルスを『正しく畏(おそ)れる』ことに尽きる」と(福岡教授)は話す。自然の一部であるウイルスに対して畏敬の念を持つのと同時に、自分自身の体の免疫システムを信じることが大切だという」

「人間とウイルスとの間に『動的平衡(どうてきへいこう:変わらないために絶え間なく変わるという意味)』を成立させるためには、このウイルスにかかって回復した人が増え、ワクチンが普及することで集団の中に免疫が広がる事が必要になる。
人間の側の免疫システムがウイルスに対する平衡(つりあうこと)状態を獲得することで、このウイルスを乗り越え、日常的なものとして受容できる状態に達するのだという」

ーーーーーーーーーーーーーーーー

福岡伸一博士の本ですが、初めて読んだのが「生物と無生物のあいだ/福岡伸一/講談社現代新書」でした。この本の中で、「動的平衡:ダイナミック・イクイリブリアム:DYNAMIC EQUILIBRIUM)」の詳しい説明がされていました。
その後、少しずつ福岡博士の本を買っては読んできました。今本棚に置いているのは、下記の本です。

1)「生物と無生物のあいだ/福岡伸一/講談社現代新書」
2)「せいめいのはなし/福岡伸一/新潮文庫」
3)「ルリボシカミキリの青 福岡ハカセができるまで/福岡伸一/文春文庫」
4)「生命と記憶のパラドクス 福岡ハカセ、66の小さな発見/福岡伸一/文春文庫」
5)「やわらかな生命 福岡ハカセの芸術と科学をつなぐ旅/福岡伸一/文春文庫」
6)「変わらないために変わり続ける 福岡ハカセのマンハッタン紀行/福岡伸一/文春文庫」

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福岡博士がニューヨークのロックフェラー大学で研究していた時代の話が面白いのですが、特に私が記憶に残っている部分を紹介します。

1)「ルリボシカミキリの青」P172~174「活字の未来」という文章があります。
福岡ハカセが「生物と無生物のあいだ」の本で、マンハッタンの摩天楼を船の上から眺めて驚いた事を書いた話が記載されています。ハドソンリバーの埠頭から出発し、エンパイアステートビルまでの風景を書いた原稿を編集部に出したところ、ゲラ刷りとマンハッタンの地図のコピーが手元に送られてきて、「見える順番が違います」というメモが付いていたそうです。

出版社の校正者が原稿をチェックし、遊覧船から見える建物の順番を調べて、順番の間違いを指摘したそうです。
「確かに校正者さんの言うとおり、観光船で上っていくと、33丁目にあるエンパイアステートビルは、42丁目のクライスラービルよりずっと前に見える。国連本部が見えるのはそのあとである。でも私は、いろいろと考えた末、この部分は、書いたときの流れを尊重してもらって、このままとした」

「書き手、編集者、校正者。この間のてまひまが活字というものを支えているのである」

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2)「変わらないために変わり続ける」P26~28。「となりの神さま」という文章があります。
福岡博士が、ロックフェラー大学主催のルイス・トマス文学賞の授賞式に参加されたときのことが書いてあります。

「授賞式のあと、ちょっとしたサプライズがあった。福岡ハカセは公演が聞き取れるようオーディトリアムのかぶりつきに座っていたのだが、となりに上品な老夫婦二組が座っていた。司会者がおもむろに紹介を行った。本日は、過去の受賞者もお見えになっています。こちら、オリバー・サックスとフリーマン・ダイソンさんです。えええ!
サックスは、『レナードの朝』(デ・ニーロ主演で映画にもなった、ダンスシーンが切ない)、『妻と帽子をまちがえた男』、『火星の人類学者』などの著者として有名な神経学者で日本でもファンが多いはず。そしてダイソンは数学の天才で宇宙物理学者。代表作は『宇宙をかき乱すべきか』。なんといってもダイソン球の発案者である。もし宇宙のかなたに高度な文明があるとすれば恒星のエネルギーを補足するための巨大な天蓋を作っているはずだという仮説。その後、スター・トレックをはじめ数々のSFで引用された。私たちの世代にとっては、まさに神さま。サックスもダイソンももうかなり高齢のはずだが、スーツに身を包んで若々しかった。いやあ、うれしいなあ」

私はオリバー・サックスさんの本が好きで、上記の本は全部読みました。特に「火星の人類学者」はお気に入りです。




↑ 青山学院大学教授・生物学者の福岡伸一さん。


↑ 2021年2月28日付朝日新聞、「福岡伸一博士さんと考える『コロナ時代の生き方』」

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↑ 私が持っている福岡伸一さんの本。


1)「生物と無生物のあいだ/福岡伸一/講談社現代新書」


2)「せいめいのはなし/福岡伸一/新潮文庫」


3)「ルリボシカミキリの青 福岡ハカセができるまで/福岡伸一/文春文庫」


4)「生命と記憶のパラドクス 福岡ハカセ、66の小さな発見/福岡伸一/文春文庫」


5)「やわらかな生命 福岡ハカセの芸術と科学をつなぐ旅/福岡伸一/文春文庫」


6)「変わらないために変わり続ける 福岡ハカセのマンハッタン紀行/福岡伸一/文春文庫」





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最終更新日  2021.07.18 23:13:51
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