7年ぶりの大事件!?…の続きの続き
前回のお話はこちら決戦の土曜日普段よりも、かなり早めに「猫の部屋」に到着した私と第二秘書を猫たちは何の疑いもなく迎えてくれましたそして、やはり何の疑いもなくいつも通りに朝ごはんを食べましたただ、ちょーっとだけ普段より量が少なめだったことに不満そうな顔をする子もいましたが…そこは見ない振りして普段通りに作業を開始した私たちにやはり猫たちは何の疑いも持たなかったと思いますそして、朝ごはんから3時間お腹も少しはこなれたはずの正午過ぎ気温30℃を超えた中私と第二秘書の負けられない戦いが本格的にスタートしました今回、Aさんが全員分かき集めたのはスポットタイプの駆除薬保護直後、壁や屋根もなく外同然だった一代目、二代目の「猫の部屋」そして、今の三代目の「猫の部屋」に引っ越す直前名前の通り、革命を起こしてくれた薬首と背中の付け根あたりの毛をわけて皮膚に直接、ピュッピュッと薬を垂らして終了薬を開けるところから考えてもこの間、ほんの何秒かの話なのですが…私たちの予想ではおそらく、その何秒間かの間じっとしている猫は2匹もちろん、首や背中を撫でさせる子は今はもっと多いですただ、普段と違う指の動きになっただけで警戒するはずの子は多数自分の見えない背中で何やらごそごそされるなどもってのほかとたぶん、すぐに動こうとするはずです全16匹をレベル1~10に分けると1~4までの猫、片手ほど残る約10匹は全員レベル6以上そして、その中の半数は私たちも覚悟が必要なレベル10…絶対に負けられない戦いとはいえ私たちがスタートからどんよりしたのはいうまでもありませんまずは、小手調べレベル1の2匹を呼び寄せ久しぶりの感覚を思い出すべく開始部屋に入っただけで寄ってきた黒いボス猫と困り顔女子を撫でながらポケットに入れた薬を取りだしまずは、ボスに滴下次に、困り顔女子の背中を撫でているとうろちょろしながら割って入るシマシマ模様8年目にして、まるで突然変異の如く甘えたへと豹変した彼ですしかし、私たちは彼をレベル2に仕分けしていましたそれには訳がありますちょっと撫でるだけで毎回、全身で喜びを爆発させてしまうため動きすぎて、たぶん手元がぶれるだから、ひとりが正面から撫で続けひとりが背面にまわって滴下完了してからも、口々にいい子だとか、お利口だとか褒め称えましたちやほやされるのが大好きになった彼にこの作戦は効果てきめんその後、難なく困り顔女子もクリアしレベル1と2の3匹は全員取扱説明書のお手本のように完了しました完璧な仕上がりに自画自賛しながら私たちは次の標的へボス猫について歩く大きないちばん弟子とその双子のような大きな白黒はちわれ2匹の大きな背中を交互に撫で試しに指で、すすす…と毛をわけてみたらどちらも動かず指の動きが気持ち良かったのか大人しくそばに座ったので素速く薬を取りだして滴下完了やはり完璧、お手本通り昔なら、こういう時この弟子は、いちばん高い場所にのぼって言葉では言えない爆弾を落としたりしたのですが…完了後、気持ちよさげに撫でられている弟子のふかふかした顔をみてその成長に感動を覚えたりもしましたここまでハイスピードの楽勝モードしかし、調子に乗りそうな気持ちを戒めるためここで高レベルな子を試すことにとにかく、ボスのいちばん弟子が好きで、好きで、大好きで…抑えきれない愛情をぶつけてしまいいつも逃げられているキジ猫女子にトライもちろん、こんな時はいつも弟子のあのふかふかした顔の真横に彼女の顔があるわけです弟子を撫でながら彼女の背中にそっと触ってみても少しくらいなら気にしないしかし、彼女だけに触ろうとすれば…怖い顔での威嚇と鋭いパンチそして、目にもとまらぬほどのダッシュこれを同時に行ってしまうという強者ですとにかく、難易度が高いケースでも小手調べは必要ですから…彼女が弟子を見つめている隙に頭から洗濯ネットをかぶせてみました…もちろん結果はご想像の通り洗濯ネットを突き破りそうな勢いに怯まず頭にタオルをかけ、動きを止めてしっかりと床で保定洗濯ネットの中に手を突っ込んで首の後ろの毛をわけて慎重に皮膚へと薬を垂らします以前なら手を突っ込んだ瞬間に血だらけになる状況ですが無傷のままで無事完了その間、やはり10秒かからずすぐにタオルと洗濯ネットを外すと一瞬、彼女は不思議そうな顔をしてすぐに威嚇しながら逃げて行きましたたぶん、あのままキャリーに詰められて外へ連れて行かれると思っていたのでしょうなんとなく、肩すかし感が見えた顔なかなか可愛かったですそんなことを思っていた時目が合ったのは…いつもアンニュイな雰囲気を漂わせているママさんのような彼女彼女がいたのは棚のいちばん上大きな目で私たちから視線を外さずとあるテレパシーを送り続けていました『ごはん、たりません…』今しがた床で繰り広げられた状況より空腹であることのほうが一大事なのでしょうこと、ご飯やおやつに関しては一歩もひかない彼女なのです近づいても動かず目の前に顔を近づけても逃げない何センチも離れていない位置にある彼女の顔…静かにたたずむ彼女を見ていたらこれはいけるんじゃないと思ってしまうのは人間の浅はかさでしょうか…それとなーく、背中に手を回そうとしたらまだ、ほとんど腕すら動いていないのに気配を感じたのか、ぴょんと飛ぶしばらくおいてまた、そーっと背中を狙うとぴょんと飛ぶ何度か繰り返してみましたがとりあえず彼女を落とすのは一筋縄ではいかないと私たちは、一旦諦めることにしましたママに振られた気分を変えるため茶白きょうだいの部屋へ移動隣の様子を見ていたはずなのに天然すぎる長男とマイペースな次男はあまり抵抗せず、箱の中でクリアちょろちょろと落ち着きのない末っ子は確実に走りまわると予想されたため箱に入ったところで洗濯ネットをかぶせて捕獲末っ子は、レベル10おそらく、へとへとになりながら完全捕獲になると思っていたのですが…洗濯ネットをすっぽりかぶせただけで驚くほど大人しくなったのでゆっくり背中の毛をわけて滴下ついでに、普段は撫でさせてくれない子なのでここぞとばかりに撫でまくりましたがとても大人しく、箱座りしながら無抵抗でした長男や次男を撫でている時いつも遠くから見ている末っ子素直になれない、あまのじゃくやはり、今回の様子を見て自分も撫でられたい願望はあるのだろうとあらためて実感しましたその後、ふたたび大部屋に場面を戻しての攻防すでに楽勝ムードなどありません残っているのは、過去に何度も激しい戦いを強いられた面々しかも、すべて女子です昔から「猫の部屋」では女子が強く何人もの怪我人を出し病院送りにしたのは、ほとんど女子すでに、この時点から完全捕獲体制で臨んだ私たち過去には、あまりの激しさに彼女のケージの扉すら開けられない人もいた小さなキジの姐さんおそらく、現時点ではいちばん手強い2匹のうちの1匹茶白きょうだい唯一の女子とにかく、あまり走らせないように躊躇せず、頭から洗濯ネットをかぶせて動きを封じ、薬を滴下することに集中ちなみに、また紹介する予定ですが昔なら、確実に無傷ではいられなかったはずの小さな体の大御所が見せた変化に感動したり可愛い顔には似合わない鼻息の荒さは今も昔もまったく変わらないサビ猫女子の保定に苦労したりレベル10と予想した通りややこしい場所ばかりを上へ下へと走り回るヤンチャすぎる新入りに手こずったり…ほぼ無言ながら、同じ行程を繰り返し狭い部屋の中をくるくる動き回っての連携プレイチェックシートに完了時刻を記入するたび何だか妙なハイテンションにもなってきましたすでに、時刻は14時過ぎさすがに、じわじわと腕や足や腰に乳酸が溜まってきたのを感じる私たちそこで、また感じる視線『やっぱり、ごはん、たりません…』まだ、棚のいちばん上からテレパシーを送り続けていたはんなりとした風情のママさんいくら細心の注意を払いながらとはいえすでに部屋の中は、結構な騒ぎだというのに…なんで、この激戦区でコレがいちばん最後なのかこんなに近い距離まで近寄ってくるというのになんで、洗濯ネットが必要なのかそんなことをぶつぶつ言いながら私たちは彼女の頭に洗濯ネットをかぶせたのですここまで、猫15匹全員、完璧に近い状態で完了しています残すところ、あと1匹ただ、最後に残ったのはある意味、私と第二秘書がいちばん躊躇してしまうかもしれない子…そう、今は特別室にひとりぼっちで暮らす彼女ですおそらく、頭のいい彼女は大部屋での騒ぎに気付いていたはずそれでも、特別室に入るといつものように床まで降りてきました背中を撫でるといつものようにお尻をあげてゴロゴロと喉を鳴らし、目を細めた彼女ただ、そーっと指で首筋から背中の毛をわけようとするとそれまでの優しいゴロゴロを止めて鋭い目つきで睨むのです『まさか、わたしにはしませんよね…』公園時代から、かなり警戒心が強く人を信頼しなかった彼女最初に捕獲したあと約2年間、彼女は完全に怒っていましたもちろん何度も噛まれたし、叩かれたりもしましたすでに出会いから12年が経過しましたが今でも、すべての人に甘えていける子ではありませんただ、今の彼女には甘えても大丈夫だと思っている数少ない相手はいますたぶん、そのうちの二人が私と第二秘書仲良しの弟分がいなくなってからもそれまでと変わらずにやってきて撫でてほしいという姿がいじらしくて…できれば、このまま彼女の嫌がることはせず、怖がらせず甘えさせておきたい気持ちはありましたけれど、だからこそ自分たちがやらなければ…私たちは、そう言い聞かせながら箱の中で威嚇する彼女に最後の洗濯ネットをかけたのですその日、初めて噛まれた第二秘書の指と初めて引っ掻かれた私の手の甲傷口に絆創膏を貼りながらああ、これでまたしばらくの間彼女は絶対に許さないだろうと思いましたこうして、私たちと猫たちとの約3時間にも及ぶ戦いは幕を閉じましたその後、休憩する時間もなく各部屋に置いてあるすべての物を外に運び出し隅々まで何度も掃除機をかけました各部屋の棚、床、壁…ありとあらゆる場所の拭き掃除をして洗える物は、すべて洗濯へあの日、終電までねばってまわした洗濯機の回数7回それでも、山積みになった洗濯物は洗いきれず翌日以降のお当番さんたちの協力で無事に全部終わったことと…あの戦いでノミは見事に全滅し今は平和な日々を取り戻していることを付け加えてこの報告を終了とします「中之島公園猫対策協議会HP」「中之島公園の猫たち」 nakanoshima_cats@yahoo.co.jp「はいはーい、2号、やっと完結しましたね」「うん…」「もうノミもいないし、必死にやった甲斐があったよね」「うん…」「今回はちびたも1ヶ月半で許してくれたしね」「うん…」「じゃあ、あとは2号よろしくね」さてと…ここまで時間稼ぎをしてた第二秘書ももうこれ以上は無理なようですねじゃあ、第二秘書さん次回の更新、私も楽しみにしてまーす 猫 ボランティア・保護活動ランキングへ人気ブログランキングへブログランキング参加中…といいながらも、まだまだ更新停滞中ちなみにTwitterはこちら