中之島公園の猫たち-SAVE THE CATS IN NAKANOSHIMA PARK-

先日、第一秘書がこんな話を聞いてきました

近所のスーパーにあるペットコーナー
そこで、いつも猫缶を買うおじさん

そのおじさんのお家には、猫さんが１匹
おじさんにとって、唯一の家族
猫さんにとっても、おじさんはこの世でいちばん大切な存在
朝、お仕事に向かうおじさんを
お気に入りの椅子の上から見送り
夕方、帰ってくるおじさんを玄関に座って迎える猫さん
そんな穏やかな暮らしが１８年間…

ある日、いつもなら猫缶を片手にレジに並ばれるのに
おじさんの手には、日用品だけ
気になったレジ担当の方は声をかけられたそうです
「今日は、猫ちゃんのご飯いらないんですか」
「実は、”にゃー”が死んでしもたんですわ…」

１８年間、その猫さんは
優しいおじさんに寄り添っていました
毎日何も変わらない、ごく普通の暮らし…

朝、出かけるおじさんを椅子の上から見送り
多分、そのまま眠るように旅立っていった猫さん
帰ってきたおじさんをいつものように
玄関先までお迎えには行けなかったけれど…
猫さんは、まるでおいしいご飯をお腹いっぱい食べた後のような
満足した穏やかなお顔をしていたそうです

そのお話を教えてくれたレジ担当の方は
自分のお家にいる猫さんたちも
最後まで安心した環境で暮らせるようにしたいと
あらためて感じたのだそうです
「それが人間の責任なんですよね…」
そう言われたそうです

「猫の部屋」の仲間たちも
この１年７ヶ月で５０匹が卒業を迎え
新しい道を歩き出しました

自分たちの居場所があること、優しい家族がそばにいること
すごく当たり前のことが、どんなに大切なことなのか…
きっと卒業した仲間たちは
今の生活の中で意識していないと思います
それだけ今の暮らしが彼らにとって
ごく普通のものになっているということを
私は嬉しく思っています

春男ちゃんの近況

「春男君は５月にお家猫一周年を迎え
最近ますますのんびり屋さんになってきました
もともとマイペースとかヘタレとか
好き放題言われるキャラでしたが
パワー倍増です
食っちゃ寝、寝ちゃ食い、一日一回の丁寧な毛づくろい
その後はまた寝、寝ちゃ食い…
ブラッシングしてもらい、そしてまた寝ます」

   
「夜、夫と娘が寝てしまうと
じとーっと私を見据えながら床に腹ばいになっています
そこで目を合わせると『にゃあああ～ん』
なんとも可愛い声を出しスリスリ寄ってきます
『みんなねちゃったよはるおもねむいおかんもねよーな』
と、言っているんでしょう」

「私が仕事を済ませて抱き上げると、顔から首からざらざらと
（ここではあえて「ぺろぺろと」とは言いませんざらざらと…）
嘗め回してくれるので
なんとも嬉しいような、不快なような気持ちで
お布団に連れて行きます
そして、朝まで一緒にぐっすりです
   かわいい…」

デビルちゃん、サスケとアトム兄妹、チョコの近況

「デビル、サスケ、アトムが家に来て、１年
チョコが来て、１０ヶ月が経ちました」

「デビルは風呂場が好きで
家族がお風呂に入る時もずっとふたの上に居る為
一緒に入る羽目に…
でも、水がかかるのが大嫌い

触られるのが大好き
何時間でも触ってと甘えてきます
また、さすがボス猫
周りをいつも見ており、何かあればすぐに飛んできます」

「サスケは、超マイペース
わが家一番の癒し系
玄関がお気に入りで
玄関のタイルの上でいつも涼んで
私たちの帰りを一番に出迎えてくれます」

「アトムは、猫缶が大好き
他の猫の猫缶も盗りに行きます
絶えず、誰かと一緒に行動しています」

「チョコは、最近やっと引きこもりがマシになってきました
人が居ない時に、1階に降りて来ますが
私達と目が会うと、一目散に２階の部屋に戻ります
でも、２階のいつもの場所だったら
ゴロゴロ甘えてくれる様になりました」

「みんな、それぞれお気に入りの場所を見つけ
伸び伸びと過ごしています
どの子も個性があり、一緒に居るとすごく癒されています
４匹の猫ちゃんと引き合わせて頂き
本当にありがとうございました」

ペペちゃんとコウイチ君の近況

「ぺぺとコウは、かなりの進歩で
熱帯魚のいる部屋の扉を開けているのですが
ぺぺは率先して、頻繁に出てくるようになりました
でも、まだ怖い気持ちがあるのでしょう
触ることは出来ませんが、少しは距離が縮まった感じです

餌の時間になると、台所に他の猫たちが合唱に来るのですが
ペペは熱帯魚の部屋から可愛い泣き声で催促をしております
妻が朝、ぺぺとコウに挨拶をするとペペは返事を返してくれます」

「コウは、まだまだで
熱帯魚の部屋から様子を伺いながら出てくるのですが
人の姿がみえると（目が合うと）
一目散に熱帯魚の棚とサッシの間の定位置に逃げていって
こちらを向いて座っております
それでも、すごい進歩です
餌の時間になると時々ですが
聞いたことのない高い鳴き声が聞こえてくるのです
見に行くと鳴いていないのでわからないのですが…
たぶんコウだと思います」

甘えている仲間たちも
のびのび過ごしている仲間たちも
まだ、あと少し時間がかかりそうな仲間たちも…
自分の居場所で、ごく当たり前に過ごしています

人よりも速く進んでしまう猫生だからこそ
ごく普通でいいんです
大切な家族のそばで過ごす
穏やかで優しい空気の流れる時間…
そんな時間に包まれて、猫生を送ることができれば
他には何もいらないんです

これからも「猫の部屋」では
そんな出会いを探していきたいと思います

「中之島公園の猫たち」nekomat@nifmail.jp
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幸せな卒業生の姿を見ることは、何よりも嬉しくてありがたいことです
公園で苦労してきた仲間たちが何の心配もせず
自分の居場所を持ち、のんびりした生活を送っている幸せ…
何も変わり映えはしない、ごく普通の暮らしだけど
とても穏やかな優しい暮らし
すべての仲間たちに、そんな居場所が見つかるように
これからも頑張ろうと思っています

 
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