カテゴリ:ある女の話:サキ
今日の日記
(「ヤンキー君とメガネちゃん(初回)」感想☆ ) サキ20(もしも彼から告白されたら) 赤木くんとデートしてから、私はちょっと変。 やっぱ、異性の友達ってアリかもね~ って、赤木くんを思い出し、 赤木くんを思い出すと、カズユキに申し訳無い気持ちになり、 心が異様に寛容になってる気がする。 よく、男が浮気すると優しくなるって言うけど、 私もきっとそう。 あれが浮気って呼べるんだとしたらね。 「ねえ、明日映画でも観ない?」 最近カズユキが休みの日は、 お決まりみたいにカズユキの部屋が待ち合わせ場所になっていた。 明日もカズユキは寝てたいみたい。 それを阻止するためにも私は電話を入れる。 「何か観たいの?」 カズユキがかったるそうに言う。 「ん~」 別に映画が観たいワケじゃ無い。 でも、どこか行きたい。 待っててもカズユキから提案することは無い。 「カズユキ観たいのある?」 「特に無い。 いいんじゃん?映画観たかったらDVDうちで観れば。 好きなの借りてきていいよ。」 そーじゃ無いんだよ。 私は反論したいけど、上手く言えない。 「じゃあ、テキトーに前売り買っておくから。 いいのね?」 「え? ん~。あ~。 まあ、いいか~。任せるよ。」 私は待ち合わせ駅を伝えて電話を切った。 これで良し。 もう浮気心なんて持ちたく無い。 私達に必要なのは、きっとこの倦怠や慣れから脱出することなんだ! 私はちょっと何かにやる気になった人間みたいに、 ウキウキして映画を選ぶ。 駅で待ち合わせ。 新鮮でいいじゃん。 カズユキは、ちょっとメンドウそうだけど。 映画いいじゃん。 カズユキ寝ちゃってるけど。 私に対して安心してるからだよね? 私もジックリ映画に集中できる。 隣に誰かがいることで緊張することは無い。 刺激が欲しいか? ときめきが欲しいか? それとも安心感か? 長く付き合っていくつもりなら、刺激やときめきは無くなっていくもんだよね? 私はそう思う。 寮のベッドで、赤木くんと観に行った映画の券を眺める。 裏側に彼の携帯番号が書いてある。 かけてどうするんだ? 私はそう思って映画のパンフレットに券を挟む。 赤木くんからは、あれから特に誘われることも無い。 やっぱり、ただ映画にいっしょに行く人を探してただけ。 誰でも良かったんだ。 それとも、私がカズユキの話なんかするから、引いちゃったのかも? 当然だよね。 誰がワザワザ彼氏持ちの女なんてめんどうな女を好きになるんだろう? ふと、自問自答してる自分がいる。 でも、そう思うと気が楽になった。 男友達として、これからも気軽に相談にのってもらおう! それがいいや。 うん。 イイ人みたいだし。 「アッカギくんオハヨ~♪」 私は気軽に赤木くんに挨拶する。 その度に、おう、とか、ああ、とか無愛想な返事が返ってくる。 「何してんの~?」 「バカかオマエ?仕事に決まってんだろ? オマエ何してんだよ。」 「だって、お客さん来ないんだもん。 ちょっと一階を偵察~」 「はいはい。こっちも来て無いですよ。」 赤木くんは商品の品出しをしながら答える。 ホント無愛想。 私は一階に来た本題を伝えることにする。 「今日も飲みに行くみたいだよ。久々にヤスさんが来てたから~」 「え?マジ?!行く行く! 決まったんだ就職? 話聞きたいんだよな~!」 私の知らせに、赤木くんは目を輝かせた。 こんな顔を見れるなんて、 伝言しに来て良かったと思う。 「それじゃ後でね。 一階のメンバーに伝えておいて~」 「おう。さんきゅ!」 私もちょっと嬉しくなった。 最近バイトの気軽なメンバーで飲み会が増えた。 それがバイトでの楽しみだったりする。 心のどこかに赤木くんを見てウキウキしてる自分がいる。 やっぱ浮気心ありだよね…。 まあ、いっか。 別に、何も無いんだしー。 私は自分の心にちょっと言い訳をする。 例えばだよ、例えば。 赤木くんが私を好きとか言ってきたら~ 私、カズユキと別れちゃうかも~! な~んてね。 妄想。妄想。 私は自分のフロアに戻って在庫チェックをすることにした。 余計なこと考えて無いで仕事しないとね。 ミサコちゃんに、最近赤木くんと仲良しだったりしない?って言われる。 同じ歳だから話が合うんだ~って答える。 二人が付き合ったら面白いのに~って、ミサコちゃんが言う。 ミサコちゃんこそ山川さんとどうなのさ~って返す。 上手くいったらダブルデートしよう!ってミサコちゃんが言う。 あはは!彼氏がいなかったらね~って、私が流す。 まさか、この夜に、 そんなもしもの話が冗談じゃ無くなるなんて、 私は思ってもみなかったから。 (続く) 前の話を読む 目次 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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